BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 星が刻んだ未来さえ2nd ]
2014-06-04(Wed) 14:31:05
星が刻んだ未来さえ2ndseason2014.7.8~2016.10.31

ルームシェアをすることになった、舞斗と満。
だが、住まいは同じなのに、擦れ違う生活を送り続け、
舞斗が寂しさのあまり友人達を訪ねまくる。
そんな中、次々に懐かしい人物に逢ってしまう。

仲村舞斗(なかむらまいと)
慶修大学医療工学部2年 21歳

楠満(くすのきみつる)
オルテンシア店長兼スーパーバイザー 41歳

菅生登志雄(すごうとしお)
カンフルツリー製薬(株)新薬開発室副室長 41歳

鬼塚大祐(おにづかだいすけ)
舞斗の元バイト先のマネージャー 41歳

☆マークには性的表現があります。

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↓登場人物&イメージイラスト
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星が刻んだ未来さえ2nd | TB:× | CM : 0
  [ 星が刻んだ未来さえ2nd 1 ]
2014-07-08(Tue) 11:23:27
「私とここで暮らしませんか?」

1か月振りに、満さんと過ごした。

本屋やショッピングモールを散歩した。
ご飯を食べてお酒を飲んだ。
タクシーで満さんの家までいき、ベッドで交わり合った。
事を終え、裸でどろんでいた時の、突然の言葉。

「はい?」
「おや、言ったこと聞こえませんでしたか?」
「聞こえたような聞こえなかったような‥」

いや、ちゃんと聞こえていた。
だけど、もしかしたら聞いた通りではないかもしれない。
わざとらしく耳の穴に指を突っ込んでみると、
くすりと満さんが笑った。

「私とここで暮らしませんか?」
「俺とですか?」
「舞斗君以外に、ここに誰がいますか」
「あ‥そうですよね‥」

突然すぎて戸惑った。
郁央の食事や、部屋の掃除が、やっぱり心配ではあるし、
母さんと住んでいた家を、守りたいって思いもあって、
マンションを出ることなんて考えたこともなかった。

それなのに、ここで暮らしませんかと聞かれるなんて。

それって、つまりは同棲ってやつだよな。

同棲ってのは恋人がするものだろう。
嬉しいか嬉しくないかで言えば、やっぱり嬉しいんだけど、
郁央と父親と、彰彦と晋平に、どうやって説明しようか。

いや、郁央は満さんのこと知っているから大丈夫か。
それなら、父親と、彰彦と晋平は、どうしよう。
同棲で同棲は、やらしい感じがする。
同居っていう表現も、ちょっと違う気がするし、
このことをどう説明したらいいんだろう。

「ルームシェア、というやつですよ」
戸惑いを見透かしたように、満さんが答える。

「答えはすぐではなくて構いません。
 少しだけ考えておいて下さい」
「はい‥」

頭を撫でられて唇が降りてくる。
そのまま、俺達は一緒に、ゆっくりと寝に入った。

そんな会話があった数日後だった。
自宅で、俺と郁央の前で、父さんがこう言った。
「こっちに戻ってきたら、
 ここに静流達と住もうと思っている」

チャンスというのは突然やってくるものである。
俺は迷いもせずにすぱっと言い切った。
「俺ルームシェアしてくれる人がいるから、
 そっちに住むことにするよ。
 家賃はいらない、生活費だけでいいから」

言った後、隣の郁央と視線が合う。
それって満さんと住むってことだよね、
と言いたげに見つめられて、笑って頷いた。
郁央も、笑った頷いた。

それから、郁央の方もとんとん拍子に進んだらしく、
波多野家へと引っ越していった。
郁央が引っ越した3日後、俺も引っ越した。

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星が刻んだ未来さえ2nd | TB:× | CM : 0
  [ 星が刻んだ未来さえ2nd 2 ]
2014-08-07(Thu) 10:30:00
引っ越しが終わり、荷物を整理する。
満さんが住むマンションは、3LDKという間取りだった。
1つが書斎、1つが寝室、1つが荷物部屋で、
俺はそこを借りることになった。

ベッドやタンスは、前のマンションに置いてきた。
満さんのマンションに合うものを、
これから少しずつ揃えようと思っている。
それなりにバイト代をずっと貯めてきているから、
ここで使わないと損してしまう。

ラフな姿の満さんが、片付けを手伝ってくれる。
ふう、なんて息を吐きながら、額の汗を拭う姿に、
どきっとした俺は思わず顔を赤くした。

今更なのに、見慣れているのに。

こういう何気ない仕草に、いつも惚れ直してしまう。

「どうしましたか、舞斗君?」
「あ、いえ、せっかくの休みを潰してすみません」
「いいんですよ。気にしないで下さい」

いつもの笑顔に安心してしまう。
この安心感がこれから毎日、たっぷりと味わえるんだ。
なんか、幸せすぎて嬉しいかも。

昼食は、満さんがペペロンチーノを作ってくれた。
やっぱり美味しくて、おかわりしてしまった。
満さんも動いたせいか、珍しくおかわりをして食べた。
そして、まだ昼間なのに、満さんとビールを飲んだ。
汗を掻いたあとはアルコールが体に沁みる。

体からの関係に始まって、恋人にまで発展し、
ルームシェアにまで至るなんて思ってもみなかった。
恋人として一緒にいても、そこから先はないと考えていた。
だから、俺はとても恵まれている。

パスタを食べ終えてから、カレンダーに予定を記入しよう。
リビングのカレンダーには、満さんのスケジュールが書いてある。
そこに、大学の予定や、バイトに行く日も書いてほしいと、
満さんからさっき言われたのだった。

どうしてか、と訊ねたら頭にキスをされた。
つまりは、夜、そういうことをするために、
カレンダーで確認したいらしい。
頬を赤らめながらキスされた頭を触っていると、
くすりと笑われてしまった。

「舞斗君、これから宜しくお願いしますね」
「こちらこそお願いします」

飲みかけのビール缶を、かつんと軽くぶつけて、
今日からの新生活を、ささやかに祝った。

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星が刻んだ未来さえ2nd | TB:× | CM : 0
  [ 星が刻んだ未来さえ2nd 3 ]
2014-08-23(Sat) 17:12:23
昨夜は、昼間の荷物整理で疲弊し、俺達は爆睡した。
翌日早朝、満さんのキスで目を覚ますことができた。
なんて言ってみると聞こえはいいけど、
甘ったるい朝ではない。
満さんは既にスーツを着ていて、出社前だ。

「おはようございます。起こしてしまいましたか」
「大丈夫です。おはようございます」
「朝食の用意は、テーブルにしてありますから」
「はい。ありがとうございます」
「それでは、いってきますね」

満さんは、会議の資料の作成で、早朝出勤だ。
帰りも遅くなると聞いている。

俺の方は、大学のあとにバイトの予定があった。
待望のルームシェア初日だというのに、
ご飯すらも一緒に食べられない。

そこから目が冴えてしまい、起きてトイレに行って、
ぼーっと過ごしながらテレビでニュースを見た。
昨夜の事件、今日の天気、スポーツに芸能ニュース、
一通りを閲覧しながらテーブルに用意された朝食を、
寂しさを感じながら食べる。

それでも美味しいのは、満さんが作ったからだろうか。
そんなことを考えて照れながらも、食器を洗って大学へ行った。

電車に揺られながら広告を見る。
凛さんがデザインしたシャツを着ているスウが、
しっとり濡れつつポーズを決めていた。
なんとまあ、色っぽく見える。

そろそろ、電車じゃなくてバイク通学にしようかな。
バイトで貯めたお金があるから、
免許の取得もバイクの購入も可能である。
でもって、満さんを後ろに乗せて、バイクで海へ出たりしたら、
とても気持ちよさそうだ。
もちろん、免許の取得は、バイクの駐輪の問題があるから、
満さんに聞いてから取ろう。

これからの生活にいっぱい胸膨らせながら、
俺は電車を降り、にやつきながら歩いていった。

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星が刻んだ未来さえ2nd | TB:× | CM : 0
  [ 星が刻んだ未来さえ2nd 4 ]
2014-09-26(Fri) 21:44:34
おかしい。

何もかもがおかしいと思う。

ルームシェアをして、もう1週間になる。
それなのに、一度も満さんと食事を摂れていない。

満さんが仕事に行っていると、俺は大学が休みで、
俺が大学に行くと、満さんが休みになる。
そのせいで、一緒に寝ている時間が短くて、
俺達は完璧に、共に住んでいるのに擦れ違っている。

会話は、もっぱらメールのみ。

それに、初日のキスからキスすらしていないことが判明した。

おかしいとしか思えないんだけど。

頭を抱えながらもご飯を食べる。
これを作ったのは満さんだ。
俺よりも朝が早いくせに、何でこういうの作るかな。
これくらい俺だって作れるのにさ。

なんて思いながら、嬉しいのは確かだ。
満さんに感謝しながら食べる。

でも、いいんだいいんだ。
偶然にも3日後は3連休で、1日目と2日目は、
俺達の休みが一緒だ。
丸2日間、満さんとたくさん遊んでやる。

スマートフォンで、アミューズメントパークや、
水族館とか遊園地とか、ランチできるお店を探してみる。
夕飯は、外にしようか家にしようか。
家にするなら俺が作ってあげたい。
作ってもらってばかりだから俺がやってあげたいんだ。

それに、ほら、家でご飯を食べたら、
そのまま満さんとシャワー浴びちゃって、
その後ベッドに入って、セックスするかもしrない。
俺だって男だし、満さんと住んでいるんだから、
そういう期待くらいして当然だもん。

「満さん‥えへへ‥」
3日後を楽しみにしながら笑顔を浮かべた。

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