BLUE BIND

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  [ 決めたゴールを走れ2ndseason 目次 ]
2017-01-20(Fri) 14:06:17
決めたゴールを走れ2ndseason 2017.2.9~

昨年度チームESで大活躍した、聖と光。
とある事情によりチームメンバーが増員され、
2人は別チームに分かれてしまう。
そこには聖に迫るドライバーや、聖の後輩がいた。

前澤聖(まえざわせい)
チームES βチームメカニックチーフ 31歳

後藤野光(ごとうやひかる)
チームES αチームメインドライバー 36歳

ロバート・ウェイクロス・戸高(とだか)
チームES βチームメインドライバー 34歳

牧田新太郎(まきたしんたろう) 
チームES βチームメカニッククルー 29歳

架空のフォーミュラニッポンを舞台にした、
フィクションになります。
実際の事故や出来事とは無関係であり、
多少ルールやスケジュールをこちらの都合のいいように、
改竄しているところがありますのでご了承下さい。

☆マークには性的表現があります。

10111213
14☆*15☆*16171819202122
23

登場人物

三木谷銀次(みきたにぎんじ)
チームES αチームメカニックチーフ 30歳
瀧芳文(たきよしふみ) 
チームES αチームメカニッククルー 26歳
佐原優太(さはらゆうた) 
チームES αチームメカニッククルー 29歳

賀川寛一(かがわかんいち)
チームES監督 48歳
八剣智(やつるぎとも)
チームESオーナー 51歳

高見洋(たかみよう)
前澤聖の姉 34歳

楠悟(くすのきさとる)
楠総合病院院長兼脳外科部長 79歳

イメージイラスト

準備中
決めたゴールを走れ2nd | TB:× | CM : 0
  [ 決めたゴールを走れ2nd 1 ]
2017-02-07(Tue) 13:46:13
スタッフ全員が本部に集合していた。

本部でいつも使っている大きい会議室に、
スタッフが並んで座っていた。
総勢30人近くはいると思われる。

俺の隣は、後藤野光。
F1で活動している俺達チームESの、
メインドライバーだ。

初対面では、睨まれて怒られて叩かれて、
ヘルメットを投げつけられるという、
過去にないほど最悪なものだった。
しかし、チームメイトとして受け入れてもらえて、
打ち解けていって何でも話すようになり、
現在では俺の恋人である。

「おい、聖」
「あ、はい」
「じっと俺のこと見てるけど、どうした?」
「いえ、何でもありません」

つまんない、とでも言いたげに、
光さんが目を逸らした。
「あっそ」

呼ばれた俺は、前澤聖。
チームESのメカニックチーフをしている。
チーフってだけで、ヘルメットを投げつけられた、
とても不幸な野郎である。

ちなみに、光さんも俺も、
同性と付き合ったのはお互い初めてだ。
付き合い方も、性交渉の方法も、
異性のものとは違うだろうと思っていたけど、
思ったほど差はなく、案外うまく交際している。

ただし、チームメイトには内緒にしている。
そういう目では見られたくないし、
公私混同はしたくないという意見一致でだ。

「おい、聖」
「あ、はい」
「だから、用がないなら見るなっての」

どうやら、光さんのことを見つめていたらしい。
だが、怒っているようで光さんは照れていた。
見つめられて満更でもないように思えてしまう。

微笑ましい態度に、笑いそうになった時、
八剣オーナーと監督が、揃って会議室へ入ってきた。

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ゴール2!始まります!
聖と光の行く末と、レース展開に、
宜しければお付き合い下さい。
決めたゴールを走れ2nd | TB:× | CM : 0
  [ 決めたゴールを走れ2nd 2 ]
2017-02-13(Mon) 12:47:26
大量の書類を、教卓に置く監督。
八剣オーナーは微笑みながら、その隣に立つ。

「おはよう、諸君」
監督の低い声色が、会議室に反響する。

それを聞いてからスタッフ達は、細々と挨拶した。
もちろん、光さんと俺も。

監督はゆっくり頷いて書類の1ページを捲った。
「以前の会議でも報告したが、
 チームESは今年度のみ2チームで稼働する。
 今日は新スタッフの紹介と、
 αチームとβチームの分配を発表していく」

言葉の直後、監督の背後にあるモニターが、
ぱぱぱっと明るくなった。
モニターに映し出されたのは、見たことのない顔。
その人物達が、会議室へと並んで入ってきた。

モニターの前にぞろりと並んだ、新人達。
監督が書類を見ながら1人ずつ名前を呼んでいく。
名前を呼ばれた新人が礼をしていく。
その数、ざっと30名ほど。

「牧田新太郎」
最後から2番目の人物が、そう呼ばれた。
俺を見ながら頭を下げる。
ほんの少しだけ笑っているように見えた。

「最後に、βチームドライバーの、
 ロバート・ウェイクロス・戸高」
ハーフっぽい顔立ちをした人物が、頭を下げる。
スタイル抜群でいかにもモテそうな風貌だ。

チームの振り分けは、こうなった。

αチームは、ドライバーは光さん。
メカニックチーフは三木谷。
メカニックチームは従来のメンバー。

βチームは、ドライバーはロバート。
メカニックチーフは俺。
メカニックチームは、新人達。

この結果に、光さんが拳を震わせていた。
もちろん俺と離れることに、
納得いかないという形相をしながら。

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  [ 決めたゴールを走れ2nd 3 ]
2017-03-15(Wed) 10:00:15
「何でだよ!」
ぐしゃ、と光さんの手によって、
何の罪もないコーヒーの缶が潰れた。

会議が終了し、みんな解散した。
昇格に喜ぶ三木谷に、瀧と佐原も祝い、
3人でご飯を食べに行った。
俺も誘われたが行く気になれなかった。

光さんが、チームの振り分けにイライラしている。
恋人をこの状態で、置いて行けない。

取り敢えず落ち着こうと、
2人だけで本社の休憩所にきた。
俺は紅茶、光さんはコーヒーを買い、
ちびちびと飲んだ後である。

光さんは潰した缶を、ゴミ箱に投げ捨てた。
「ああ、くそ。マジで何でだよ」

怒っている顔で、どかっと俺の隣に座る光さん。
顔も耳も、ずっと真っ赤なままだ。

去年、タッグを組んで勝つことができた。
タッグを組むまでは、俺達はすごく不仲だった。
それでも、たくさんの壁を乗り越えて、
チームとして起動するようになり、
光さんと俺は、恋人という関係にもなった。

その俺と光さんが、チームを離された。

怒る気持ちは判る。

でも、監督とオーナーの指示だ。
何をどう言っても、覆すことは難しい。

「おい、聖。お前はどうして怒らないんだよ」
「怒ってますよ。でも怒ったって変わりません」
「変わらなければ怒らないのかよ」
「そのエネルギーを他に向けたいだけです」

ちっ、と光さんの舌打ちが聞こえた。
返されたことに正しいと思ったみたいだ。

光さんも判っている。
監督の指示も、自分の感情も、
レースに勝つ為には割り切らないといけない、
ということを。
ただ、頭ではちゃんと判っていても、
なかなかそうできないだけだ。

俺は、周りに人がいないかを見てから、
光さんの手にそっと触れる。
すると、光さんが手をぎゅっと握ってきた。
その手を強く握り返した。

「チームは違いますが同じチームESです。
 俺はいつでも傍にいますよ」
「そんなこと判ってるっつーの」
仕方なさそうな笑顔で、光さんが言った。

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  [ 決めたゴールを走れ2nd 4 ]
2017-04-04(Tue) 15:34:10
「あ!いたいた!」

後ろから声がして、光さんの手を離した。
離された手で、ぽりぽりと頭を掻く光さん。
少しだけ気分が収まったようだ。

そこにやってきたのは、βチームで同じになる、
メカニックの牧田新太郎であった。
その牧田が、がばっと俺に飛びついてくる。

「聖さん!久し振り!」
「久し振り、牧田」
言いながら俺は、牧田を体から離した。
わなわなと震えている光さんがいるからだ。

「おい、聖。知り合いか?」
目は笑っているが声が震えている、光さん。

チーム分けに光さんが怒ってしまい、
ぎゅっと手を握ってやっと気が静まってきたのに、
ここでまた再沸騰してしまうとは。
機会があればとことん奉仕するしかなさそうだ。

「あ、はい。牧田は大学の後輩です」
「初めまして。牧田と言います。
 後藤野さんにお目にかかれて光栄です」

牧田は光さんに深々と礼をした。
そんな礼儀正しさに、光さんの怒りが薄まった。

「どうも、後藤野です」
「わあ。本物はやっぱり格好いいですね。
 いつもレース拝見しています。
 別チームですけどよろしくお願いします」
「ああ、こちらこそよろしく」

本物はやっぱり格好いい、という牧田の台詞に、
光さんは満更でもない顔になった。
本当に、喜怒哀楽の激しい人である。

「お!いたいた!」
先程と似たような台詞が聞こえてきた。
そこにいたのは、βチームのドライバーと、
監督とオーナーの定番コンビだ。

俺と光さんは顔を上げた。

この場に奇妙な6人が揃った。

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