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  [ 雨上がりの最果てで 2 ]
2012-12-02(Sun) 08:40:00
自覚したけど告白はしなかった。
世間ではこんなの異常だと、そう感じた。

付き合っていた女の子と、街を歩く。
周囲でデートしているのは男女ばかりだった。
波多野が好きでも好意を隠せばいい。
それでいいし、そうするのがいいんだ。

そんな思いを抱えて、1年が経過した。
付き合っていた女の子と、いつの間にか別れた。
私と遊ぶよりもバイトの子と遊ぶほうがいいみたい、
と言われて離れて行ってしまった。
バイトの子ってのは、もちろん波多野のことだ。

彼女がいなくなって制御ができなくなった。
学校でもバイトでも波多野といるようになった。
波多野も、甘えてくる俺のことを、
しょうがないなって笑いながら構ってくれていた。

バイトが終わって、家に帰る時、
学校に忘れ物をしたことを思い出した。
いつもなら、別にいいやって思った。

でも、誰もいない学校に入ったら、
波多野の教室で、波多野の席に着席し、
波多野がいつも見ている風景を、
覗けるかもしれないと考えてしまった。

今こうして考えれば、無意味な行動だ。
だけど、当時の自分はそれほど波多野に執着していた。
波多野を見ている風景を見てみたい、
思ってしまったら止まらなかった。

そんなバカなことをして、見回りの警備員を、
自分を守るための傷つけてしまった。
それなのに、警備員は、俺のことを許してくれた。
しかも、こんな俺に手を差し伸べてくれた。

それからは、バカなことはしなくなった。
波多野のことを好きだと自覚したけど、
それだけで何をしようとは思わなかった。

楽しく話せれば、それでいい。

事件は、卒業式の翌日。
俺は、兄貴と同じ大学に進み、
4月の入学式を、バイトして待つだけ。
そんな、とある日に起きた。

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