2014-11-28(Fri) 10:49:30
「ああ、でも残念だな。舞斗君、マジでタイプなのに」
「そんなこと言いますけど、凛さんにもいい人いますよね?」 カマかけたつもりだった。 そしたら、それが当たったのか凛さんが、 かあっと真っ赤になった。 「あ、うん、まあ」 にししと照れ笑いをされた。 幸せですって顔をしている。 むむむ、ちょっと悔しい気がした。 「もう付き合ってます?」 「まあね。でも、あっちもこっちも仕事忙しいけどさ」 「仕事が理由で会えない時ありますか?」 「そりゃあもちろん」 笑顔での回答だった。 会えないのにどうしてそんなに笑っていられるんだろう。 「何?舞斗君の恋人、今日も仕事?」 「はい」 「そっか。まあ仕方ないよ」 凛さんに再び、肩をぽんと叩かれた。 「でも、仕事があるから自分があるんだよ。 恋人がいれば尚更、仕事ってすごく頑張れるんだ」 「そうなんですか?」 「そうだよ。それに、離れていたってここは繋がってるでしょ?」 凛さんが胸を、とんっと軽く叩いてる。 「自分が相手を恋しい時って、 相手も自分を恋しいに決まってるよ」 何気ない台詞が、心の中の何かが、ことんと落ちて行った。 同時に、忙しい満さんに対して、バカだなんて思ってたことを、 申し訳なくなってしまい心で謝った。 「それでも、寂しいものは寂しいけどね。 あ、そうだ、いいものあるよ。ちょっと待ってて」 凛さんがバックヤードに下がり、何かを持ってきた。 青いビニール袋に、2つの何かが入っている。 「これ何ですか?」 「帰ってから開けてみて。きっと暇潰し程度にはなるよ」 「はい。ありがとうございます」 それから、店が終わるまで俺は待ってて、 凛さんとごはんへ行った。 その後、昔のバイト先へと遊びに行った。 凛さんが頼まれていたシャツを作ったのを渡しにいくのを、 暇だから付き合った。 次話へ 前話へ お気に召しましたら一票お願いします。 |