2015-03-04(Wed) 06:11:31
ふと目が覚めた。
見慣れた天井が、そこにある。 もちろん、ここは満さんと住んでいる、 マンションのベッドルームだ。 どうやら俺は夢を見ていたらしい。 過去、不本意ながらも鬼塚さんとセックスした、 誰にも言えない夢である。 いくら欲求不満でも、あんな夢を見るなんて、 最低ってか最悪ってか、もやもやして自己嫌悪してしまう。 はあ、と深い溜め息が出た。 すると、下半身にひやっとした感触がした。 イヤな予感がして、がばっと体を起こしたら、 案の定、トランクスの中が濡れている。 ここでまたもや、はあっと溜め息が出た。 ベッドを降りて、静かにバスルームへ向かう。 そろりそろりとトランクスを脱いでシャワーを浴びた。 シャワー後、情けないと思いながらも、 ざばざばとトランクスを手洗いすることにした。 この1枚の為だけに、洗濯機を動かす訳にはいかない。 ああ、もう、こんなこと初めてだ。 そして、今日は連休2日目。 昼になっても満さんからメールすら送られてこない。 昨日朝の、あの電話きりだ。 郁央と彰彦はバイト。 晋平は彼女とデート。 って、これじゃあ昨日と同じじゃないか。 満さんと会えるのか、会えないのか。 それだけでも判るんなら動きやすいのに。 とりあえずお腹が空いたから、コンビニへ行った。 限定だという弁当とおでんを購入し、本屋に入って新刊を眺める。 あ、好きな作家の新刊が出てる。 取ろうとした時、横から奪われた。 「あ、すみません」 聞いたことのある声に、はっとする。 横には何と、菅生さんがいた。 次話へ 前話へ お気に召しましたら一票お願いします。 |