2015-03-15(Sun) 09:14:27
ドライオーガズムを経験できると説明書にあった。
しかし、菅生さんから色々とされたせいで、 ドライでイクということに、いい思い出がない。 そんな訳でエネマグラに頼るだけではなく、 素直にソレを摩擦し、このまま射精しようとした。 がちゃがちゃ、がちん。 聞いたことのある音に、体が凍る。 玄関の施錠が、開いた音だった。 まさか、満さんが帰ってきたのか。 いや、そんなはずはない。 帰るならメールくらい送ってくるはずだし、 昨日も今日も、明日だって仕事だったはずだ。 すると、こちらに突進してくるような足音がした。 どたどたと酷く急いでいるような歩く音に、 ますます体が凍ってきて、ソレが萎えて縮んだ。 いやいや、むしろ萎えてラッキーだ。 萎えたソレをジーンズに収めて、 慌ててシャツやベッドなどを直す。 ぼさぼさの髪を手で直しながら、 ベッドルームの鍵を開けたところで、 ちょうど満さんがやってきた。 息を切らしながら汗を流している。 スーツ姿だけど、ネクタイが外されていた。 相当、急いできたような感じだ。 満さんを見ただけで、抜き忘れたエネマグラが中で蠢く。 俺は、できるだけ満さんを見ないようにした。 「お‥おかえりなさい‥」 「急いで戻りました。これから旅館行きましょう」 「え?旅館?どういう意味ですか?」 頭がパニックを起こしている。 帰ってきた満さんが、旅館へ行こうと言っている。 そんな約束なんて一度もしていないのに。 すると、満さんはベッドルームに入って、 クローゼットにある旅行用バッグを、ベッドに置いた。 「今日と明日、仕事で休みを貰ったので、 温泉のある旅館を予約しました。 私なりのお詫びです。今からでも間に合います。 さあ、舞斗君も、出かける準備をして下さい」 脱いだスーツをハンガーに掛けたり、 私服へと着替えたり、バッグに荷物を準備しながら、 つらつらと説明をしてくれた。 準備をする手際がよく、俺はただ佇んでいた。 つまり、満さんも連休を楽しみにしていた。 だけど急に仕事が入って、満さんも俺くらい寂しかった。 そのお詫びに、今日と明日、仕事で休みを貰って、 一緒に温泉に行こうと思ってくれた、ということか。 じんと胸が熱くなった。 「さあ、これから行きましょう」 俺の手を、満さんが握ってきた。 瞬間、エネマグラを中で感じてしまった。 まずい、どうにか何か口実を作って、 早くこれを抜かないと、やばいことになる。 「あの、俺、その‥」 「どうかしましたか?」 ああ、こんな時に限って何も浮かばない。 どうしよう、どうしたらいいのだろう。 次話へ 前話へ お気に召しましたら一票お願いします。 |