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BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 星が刻んだ未来さえ2nd 26(R18) ]
2015-03-24(Tue) 09:13:49
「俺、おやつ食べてから行きたいです‥」
「おやつ?」
「コンビニで今やってる、限定の‥お菓子が‥」

そんなものあるのかよ、とノリツッコミ。
ああ、もう、エネマグラを意識しすぎちゃって、
めちゃくちゃなこと言ってるよ。
それなのに、満さんは手をぽんと叩いた。

「判りました。車に乗ってからコンビニへ先に行きます。
 それを食べながらなら行けますよね?」
「あ、はい」

違うんです満さん。
俺がしたいのはコンビニ行くことじゃなくて、
エネマグラを抜くことなんです。
それなのに、どうしておやつのことを言ってしまったのか。
パニックになりすぎだ、俺。

「舞斗君の洋服の準備、してもいいですか?」
「はい、あの、お願いします‥」

満さんはバッグの中に、俺の服を詰めた。
さすが、どんな洋服が何枚いるのか、
俺なんかよりもよく判っていらっしゃる。

そして、もじもじしている俺の手を引っ張って、
満さんが歩き始めた。
「さあ、それでは行きましょう」

少し歩いただけで腰が痺れてきた。
廊下から見える玄関が、歪んで見える。
状況はかなりやばくて危険だ。

靴がうまく履けない。
おかしいと首を傾げながらも、満さんが助けてくれた。
「すみません」
「いいんですよ」

満さんは、ずっと笑顔だった。
一方、俺はあんまり笑えなかった。
エネマグラが、いちいち刺激してくる。
ちょっと歩いて動くだけで、
擦ってほしいところを擦ってくるのだ。

玄関を出てすぐの廊下の壁に、
手をついて体を預けた。
ああ、そうだ、今になって思えば、
トイレに行ってそこで抜けばよかったんだ。
今更、そんなことを思いついても遅い。
そんな俺のことを、満さんが心配そうに見つめた。

「舞斗君、どうしましたか?」
「何でも‥ありません‥」
「そんな訳ないでしょう。顔がすごく赤いですよ」

無言で、首を横に振る。
ゆっくりでも歩けば駐車場までは行けるはずだ。
車にさえ乗れば、コンビニへ行ってもらえるし、
そこでエネマグラを抜けばいいだけだ。

そのつもりだった。

俺の目の前で、満さんがおんぶするよう屈んでいた。

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