2017-02-13(Mon) 12:47:26
大量の書類を、教卓に置く監督。
八剣オーナーは微笑みながら、その隣に立つ。 「おはよう、諸君」 監督の低い声色が、会議室に反響する。 それを聞いてからスタッフ達は、細々と挨拶した。 もちろん、光さんと俺も。 監督はゆっくり頷いて書類の1ページを捲った。 「以前の会議でも報告したが、 チームESは今年度のみ2チームで稼働する。 今日は新スタッフの紹介と、 αチームとβチームの分配を発表していく」 言葉の直後、監督の背後にあるモニターが、 ぱぱぱっと明るくなった。 モニターに映し出されたのは、見たことのない顔。 その人物達が、会議室へと並んで入ってきた。 モニターの前にぞろりと並んだ、新人達。 監督が書類を見ながら1人ずつ名前を呼んでいく。 名前を呼ばれた新人が礼をしていく。 その数、ざっと30名ほど。 「牧田新太郎」 最後から2番目の人物が、そう呼ばれた。 俺を見ながら頭を下げる。 ほんの少しだけ笑っているように見えた。 「最後に、βチームドライバーの、 ロバート・ウェイクロス・戸高」 ハーフっぽい顔立ちをした人物が、頭を下げる。 スタイル抜群でいかにもモテそうな風貌だ。 チームの振り分けは、こうなった。 αチームは、ドライバーは光さん。 メカニックチーフは三木谷。 メカニックチームは従来のメンバー。 βチームは、ドライバーはロバート。 メカニックチーフは俺。 メカニックチームは、新人達。 この結果に、光さんが拳を震わせていた。 もちろん俺と離れることに、 納得いかないという形相をしながら。 次話へ 前話へ お気に召しましたら一票お願いします。 |