2019-04-06(Sat) 09:26:16
1日中、ピット練習をした。
半分くらいは完成してきたが、 まだまだ未熟なのは明確である。 という訳でその旨を、三木谷と相談し、 翌日の午前中、監督からの許可をもらって、 αチームのピット練習の見学をすることにした。 去年からのメカニックが勢揃いしており、 作業のスピードが段違いである。 午後はαチームのピットを拝借し、 βチームのピット作業を評価してもらった。 それぞれの各担当よりアドバイスされ、 少しずつだが無駄な動きがなくなってきた。 まあ、βチームは動き出して日が浅い。 1年やってきたβチームと比べることが、 既にナンセンスなのは判っているからこそ、 βチームの個性で上達してほしい。 βチームが形になってきた所で、 日が沈んでおりもう真っ暗になっていた。 それに気付かないほど没頭していた。 今日はこれで解散となった。 解散宣言後、光さんが俺のところへきた。 さすがの牧田も疲弊しており、 ふらふらしながら、ピットを後にした。 「お疲れ、聖」 「あ、はい。お疲れ様です。 今日1日、αチームをお借りしました。 ありがとうございました」 「βチームの仕上がりはどうだ?」 「まあまあ、ですかね」 本当なら今頃、8割までは仕上げたかった。 しかし、そんなこと言っていられない。 「レースは2日後だもんな。 そりゃあ、チーフとしては焦っちまうよな」 光さんの言葉に頷くしかない。 そう、レースはもうすぐ始まってしまう。 「レースは待ってくれません。 焦っても焦らなくても、 とにかくやるしかありませんよ」 「そうだな」 突然、俺の尻を、光さんが揉んできた。 「わひゃあ!」 「あはは。もっとリラックスしろよ」 光さんが笑いながら言った。 その後から、三木谷や瀧や佐原が、 こちらに心配そうにやってきた。 「今の変な声、チーフですか?」 「どうしたんですか?大丈夫ですか?」 光さんを少しだけ睨んでから、 3人に笑って見せた。 「変な虫がいたけど追い払ったとこだ。 もう、大丈夫」 次話へ 前話へ 光「おい、俺は変な虫かよ」 聖「変な虫で十分です!もう!」 ランキング参加中 |