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  [ 決めたゴールを走れ2nd 22 ]
2019-07-11(Thu) 16:10:57
次のレースまで残り、3週間。

ロイにはデータを洗い出してもらいながら
光さんと同じように走ってもらう。
ほぼ同じコーナーラインを辿ってもらい、
それを覚えてからはスピードを上げて、
徐々にスピードアップをする作戦にした。

ピット練習は2倍にした。
相談をして監督にも参加してもらい、
ピット作業に関する効率の悪いワークを、
1つ1つチェックしていった。
それこそ、待機している姿勢から、
一歩を出すタイミングまで非常に細かくだ。

1週間前で、ロイは少しずつ形になった。
光さんのコーナーラインに慣れてきたようだ。
監督の助言で、ロイのタイムを計ってみたら、
なかなかいいタイムだった。

「でもきつい走りなんだよね。
 いつも割とぎりぎりを攻めている」
ヘルメットを外しながら、ロイが苦笑いする。

「そういう走りだからね、光さんは」
「光はぎりぎりを攻めるだけじゃなく、
 マークされても守れるようにしている。
 それがあいつの強さでもあるぞ」

俺と監督が言うと、ロイは俺の肩に腕を回した。
そして、甘えるように言う。

「セイ、レースが終わったらご飯したいね。
 俺はそれを糧に、レースを頑張りたい」
「そうだな、そんなムードなかったもんな。
 レースが終わったらみんなでご飯もいいな」
「監督、嬉しいけど違うんだよ。
 俺はセイと2人だけで行きたいのさ」

ロイの発言に監督は大笑いした。

俺は笑えなくて顔が固まってしまう。

別にみんなで行ってもいいじゃないか。
そりゃあロイも頑張っているだろうけど、
みんなもピット練習を頑張っている。
ご飯という形で、労ってあげていいと思う。
そして何よりロイと2人きりだと、
光さんに怒られそうだ。

断ろうと思ったところで、監督が口を出す。
「そうだな、前澤、ご飯くらい行ってやれ」

ああ、これもう光さんに怒られるな。
どんな言葉で説得しようか、
俺の頭の中は、そればかり考えていた。

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