BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 星が刻んだ未来さえ 1(R18) ]
2010-11-10(Wed) 05:40:56
「マイト君指名入ったよ、180分」
ホテル名とルームナンバーを聞いて、電話を静かに切った。
俺はゴムやローションが入っているバッグを持って、
茶室と呼ばれる部屋を出る。
近くのホテルに入り、言われた部屋の扉をノックした。

「こんばんは。待ってたよ」
「菅生さん、どうも」
爽やかとは縁のない男が、俺を部屋へ招く。

大学の夏休みが退屈で、何となく始めたバイト。
菅生さんはこれが3回目。
なぜだか俺を気に入ったらしく、また指名された。

「まずはシャワーいいですか?」
「いいよ。マイト君となら何でも」
脱がしながら笑ったものの、気持ち悪くて鳥肌が立つ。

外見はごく普通のサラリーマン。
左手の薬指に、新しくはないリングを嵌めてはいるけど、
いかにも男が好きそうに俺は見える。
妻子がいるかどうかは不明だが、微塵たりとも興味はなく、
こういう仕事上訊ねることもない。

脂濃く粘つくような口調が好きじゃなかった。
金が絡まらないなら付き合えない、そんなタイプ。

それでも共にシャワーを浴び、俺が菅生さんの全身を洗う。
自分の体は簡単に洗い、流して湯船へ浸かった。

向かい合って、少し話す。
ベッドでのプレイを少しでも短くできるように、
俺はいつもここで粘ることにしている。

「仕事、お疲れ様です」
「今日はレポート提出があってね、とても疲れたよ」
わざとらしく首を捻ってみせる、菅生さん。

「レポートって大変ですよね」
「そりゃあもう、面倒だし大変だよ」

でも、それを仕事として選択したのは自分なんだし、
やらないと生活していけないだろ、なんて心で呟きながら、
営業スマイルはもちろん全開。
こんなこと間違っても言葉にはできない。

「僕はもう一度学生に戻りたい」
「頑張って下さいよ菅生さん」
「マイト君に励まされたら、まだまだ頑張れそうだ」
「よかった、ちょっとは元気出たみたいで」

俺にとってはくだらなくてつまらない話だけど、
ここでどうにか会話を長引かせたかった。
だけど、今日の菅生さんは長湯の気分ではなく、
その証拠にさっさと湯船をあとにした。

バスタオルで体を拭きながらベッドに腰を下ろすと、
菅生さんがホテルの冷蔵庫から、ビールを2本出した。
それが乗ったテーブル上に、怪しい錠剤が転がる。

「ビール飲もうか」
「いただきます」
プルタブを開けてから、こつんと缶を当てる。

「あと、またそれも飲んでね」
それ、とは錠剤のこと。
たぶん法には触れない、菅生さん特製のドラッグ。

薬関連の研究者、と初めての指名で菅生さんが明かした。
それがどんだけすごくて、どんだけ偉くて、
どんだけこんなものを作れるほど暇なのかは知らない。
だけど、前回はこれで感度がアップし、
即効でハイテンションにも色欲にもなれた。

そんな怪しい薬を、ビールで喉に流し込んだ。
菅生さんも同じものを嚥下すると、
ベッドの中央に大の字で寝転がって、俺に笑う。
「さあ、していいよ」

その上に被さり、失礼しますと呟いて菅生さんにキスし、
そこから出発して全身にキスしていく。
頭からつま先まで、文字通り全身に。

「マイト君唾液ちょうだい」
気持ち悪い笑顔と共に、菅生さんが要求してきた。
呻きそうになるのを堪えて、30センチ上から、
菅生さん目掛けて、口に溜めた唾液を滴り落とす。

次話へ

新しいお話を始めました。
エロくてドロドロなお話にしたくて、
のっけからエロです。エロ万歳。
始めたばかりで人物の背景が判らないままですが、
(すみません意図的にそうしています)
お付き合い頂けると嬉しいです♪


お気に召しましたら一票お願いします。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
BL小説星が刻んだ未来さえ | TB:× | CM : 1
星が刻んだ未来さえ 目次HOME星が刻んだ未来さえ 2(R18)

copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
  
Item + Template by odaikomachi