BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 青い空を見上げて 30(完) ]
2010-06-11(Fri) 17:24:47
笹崎侑津弥


月曜の朝7時。
目覚まし時計が、ベッドの上で鳴った。
「‥う‥ん、ふあ」
あくびをしながら、ボタンを押してアラームを止める。
ここは、自分の部屋。

土曜と日曜はジョーの部屋で一緒にいた。
あれから、数え切れないくらい体を重ねていた。
ジョーが離してくれなかったのが嬉しくて、
俺もずっと離れなかった。

ただし、しっかりと代償がついてきた。

「‥あ、いてて‥」
腰の痛さに顔を歪めつつ、どうにか洋服に着替える。

腰だけじゃなくて体中がぎしぎし鳴っている。
体はもともと柔らかいほうだけど、
慣れない格好や動きのせいで、関節も少しだけ痛かった。

これじゃあ体がもたないからたまにはしっかり休もう、
とジョーに言われたのが、昨夜。
俺達は各自の自室で、泥のように眠った。

まあ、ジョーのベッドはセミダブルだけど、
男2人だとやっぱり窮屈だし、あまり疲れは癒されない。
ちなみに俺が寝ていたのは、シングルベッド。
セミダブルよりも狭くてジョーとは寝られない。

また出てきたあくびを噛みながら、ダイニングへいくと、
ジョーが、いつものピンク色のエプロンを巻いて、
朝ごはんを作っていた。

「おっす」
「‥おはよ」
「よく寝られたか?」
「‥うん」
「まだ痛いか?おんぶして登校してやろうか?」
「‥断固拒否」

えへへ、と嬉しそうに笑うジョー。
おんぶされて登校なんかしたら、どんな噂が広まるか。
考えただけでも恐ろしい。

ごはんが終わる頃には、もう8時前だった。
そこそこ後片付けをすると、ジョーに弁当を手渡された。

「‥え?ジョー作ったのか?俺の分も?」
「中身は、だいたい俺と同じだけどな。
 こんなのおかず詰めるだけだからすぐ作れるし」

昼ごはんはどこで買おうかと考えていたから、
ちょっと、感激。

お金の件は、俺の通学費が下宿代って形で、
うちの親がジョーの親に支払うことで落着していた。

昼ごはん込みのこずかいは、
ジョーからもらう手はずになっているけど、
これなら当分出費はなさそうだ。
特にほしいものは何もないし。

「あと、これもな」
と、テーブルに鍵をそっと置くジョー。
阿久津家の、スペアキーだ。

「なくすなよ」
笑ったジョーに頷いて、それをカバンに入れていると、
突然、首にしているチョーカーをジョーに取られた。

このチョーカーは、俺がいつでも我慢を忘れないようにと、
自分を戒めるために付けているものだった。
ジョーに話してない、というよりは話すことじゃない。

まさか、それをどこかで察したのだろうか。

我慢という呪縛は、ほとんどなくなった。
だけど、またいつ、どこで俺がどうなるか判らないから、
常に身につけていたいしついてないと落ち着かない。

ジョーに奪われたチョーカーを取ろうと、
ぐっと手を伸ばした、その時だった。

「こっちにしない?」
ジョーが、柄の違うチョーカーを俺に着けてきた。

「ちょっと前に買ったんだ。ウツミに似合いそうで。
 それの模様がさ、これと同じなんだ」

照れながらジョーが見せてくれたのは、
シックな和柄のブレスレット。
それを、俺の前で、ジョーは自分の左手首にはめた。
「ペアなんだけど、いい?」

いいに決まってる。

「‥うん」
「じゃあ、古いのはウツミが捨てて」

渡された古いチョーカーを、ごみ箱に入れた。
過去の自分に、さようならと言いながら。

それから、ジョーと一緒にのんびり出発した。
もちろんおんぶはされていない。
むしろ、されてたまるもんかって。

眩しさに目を細めつつ、上を見る。
今日もいい天気だ。
青が濃く、空が高い。

目が合ったジョーがにこりと俺に笑いかける。
きらきらした眩しいくらいの、笑顔。

その後に広がる、青い空。

どこまでも続いている、青い空の下で、
俺はジョーと一緒に歩いていく。

前話へ

ようやく書き終わりました。
読んで頂いて感謝です。ありがとうございました(´▽`)

これは、ジョーとウツミの出逢編になります。
今後はこれを基盤に、番外編を書こうと思いますので、
まだまだお付き合い頂けると嬉しいです。

1話に詰めた文章の長さが、あちこち違うので、
かなり読み辛いですよね。あははは(笑い事では‥)
ブログに四苦八苦してたら、こうなっちゃいました。
すみません。もっと色々精進します(。´Д⊂)
内容も、エロも、文才も(それはもうムリでは‥)

それではまたお逢いしましょう(*'-'*)ノ
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