BLUE BIND
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水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 僕達の体育祭 1 ]
2010-06-13(Sun) 16:10:16
阿久津城
季節は、梅雨に入る直前。
新しいクラスに慣れてまったりする、毎日。
だけど、すぐそこに黒い影が忍び寄っていた。
それは、体育祭。
各クラスの一致団結を強めるためか、
はたまた学生のたしなみか、それとも法律なのか、
体育祭というものが1ヵ月後にあるらしい。
どうして、らしい、のか。
俺は、走ったり競ったりが嫌いなんだ。
ケンカは得意だけど、運動というジャンルは苦手で、
要は、まるっきり他人事だってこと。
ありがたいことに土曜を返上してまでやるときた。
日曜と月曜が休みじゃなければ切れるところだ。
「クラス対抗リレー、やりたい人はいませんか?」
クラス委員になった荒本の、これが初仕事だった。
元気いっぱいの大声だが、もちろん誰も手を上げない。
今は、運動会の各種目に出るメンバーを決めていて、
あとはリレーを残すだけだった。
リレーは、まずは学年の対抗で1位になると、
1年と2年と3年の対抗に昇格する。
これほど嬉しくない昇格もなかなか他にはないぞ。
「これが決まらないと帰れないよ」
苦笑いする荒本と、チョークを持ち教壇に井出が立っていた。
1学期のクラス委員はこの2人だった。
「ウツミ陸上経験あるし、アンカーとかどう?」
隣の席で、シャーペンを弄んでいるウツミに、
ぼそぼそと小さく喋りかけた。
ウツミは、シャーペンを人差し指と中指に挟み、
くるくると器用に回転させている。
いつもそれを真似したくて練習しているけど、
シャーペンが回らないどころかぽろっと落ちる。
これ結構難しい。
そして。
俺達は同棲中の恋人だ。
「‥冗談だろ。かったるい」
シャーペンを机に転がして、ウツミは溜め息をつく。
こんな返事だけど、俺達は恋人だ。
どうしよう誰にしようと、クラス内がざわめく中、
俺の斜め前で、イスを揺らして遊んでいる仁志が、
「だったら荒本やれよ」
と、いきなり立ち上がって、更にこう続けた。
「いませんかって聞くんだったら、
荒本がリレーの選手になればいいじゃん。
体育祭の委員会に入ってないからリレー出られるだろ」
仁志の意見に、教室もそうだそうだの合唱になる。
クラスの声援に仁志は笑顔になった。
それに対して、荒本は疲れた表情を見せる。
やがて、きらっと目を光らせて、
トレードマークであるメガネをあげた。
「じゃあ僕は2番目に走ろうかな。
運動部の仁志君に、トップバッターを任せていいよね?
あれ?ムリ?まさかそんなことはないよね?」
にこりと、悪魔の笑顔。
荒本は意外と策士だ。
背は小さいけど肝は座っているし、
仁志やクラスメイトの挑発にびびったりしない。
頭も切れるから敵に回したくないタイプだ。
荒本の発言に、恐ろしい気配でも感じたらしく、
仁志は言い返さないで素直に頷き返していた。
「じゃあ、1番目は仁志君で2番目は荒本君ね。
アンカーと3番目はどうするの?」
チョークを滑らせながら、荒本に問う井出。
荒本は、仁志に向かって普通に笑ってみせた。
「仁志君を僕が選んだんだから、仁志君が誰か選んでいいよ」
「面倒くさいな」
と、ぼやきつつ、仁志が周囲を見回す。
途端にクラスの全員が、視線をささっと仁志からはずした。
面白くてそれを観察していたら、その渦中にいる仁志と、
はたっと目が合った。
にやりと、仁志の口が微笑む。
「ここは、やっぱり阿久津だよな」
何がやっぱりか判らないけど、仁志の不気味な笑顔は、
不幸になるのは誰でもいいと物語っていた。
あまりに突然すぎて、顔がひくっと引きつると、
井出が嬉しそうに名前を書きやがった。
ああ、なんてことだ。
ただでさえ運動とかって苦手だってのに。
‥待てよ。
この運びで行くと、次の誰かを選ぶのは俺だ。
やけくそになりながら、俺はこう言ってやった。
「じゃあアンカーはウツミにしてくれ。いいだろ?」
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