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  [ 僕達の体育祭 2 ]
2010-06-14(Mon) 10:25:03
阿久津城


「‥どうして俺がアンカーなんだよ」
ベッドに横になりながらウツミは呟いた。
その隣に俺も横になる。
セミダブルサイズのベッドは、
男2人にとっては狭いけど密着性があって、俺は好き。

「だって元陸上部だろ?」
「‥冗談だろ。かったるいって」

ウツミを抱き締めながら、学校でしていた会話を、
またここで繰り返していた。

陸上で長距離が得意、とウツミは前に言っていた。
でも、やっぱりリレーとは別物なんだろうか。
俺から見たら、走ることにはどっちも変わりないけどな。

「ほどよく走ればいいんだからそう言うなよ」
ウツミを見ると睨まれた。

まあな、ウツミを選んだのは俺なんだから睨まれもするか。
睨まれたままキスをしても楽しくなかったから、
別のスキンシップに変えてみる。

「ウツミの足はどんなふうに走るんだろうな」
すべすべした足にキスをすると、ウツミは真っ赤になって、
ぴくっと震えた。
こういう仕草がたまらなく可愛い。

調子に乗って体中を触ると、
ぱしっとウツミに手の甲を叩かれてしまった。

「‥くすぐったい」
「くすぐったくなければ触っていいんだな」
毛布に隠れたウツミの胸の突起を、きゅっと摘んだ。

「‥ん、はあっ」
背を丸め、ウツミは小さく呻いた。
ウツミのこういう姿を見たくてあちこちに手を滑らせる。

初めて体を重ねてから、何度もこういう行為をしているけど、
ウツミはまだ恥じらいが抜けないらしい。
もうすっかり慣れてしまった俺は、
次はどんなことをしようかいつも考えている。

それも、普通にやるのは退屈すぎるわけで‥。

「あ、俺、いいこと思いついた。
 リレーで1位になったらウツミにご褒美やるよ」

なんて言ってみる。

セックスに関わることだとは言ってないのに、
俺の予想した通り、ウツミは耳も顔も真っ赤にして、
ぷいっと顔を横にむけた。

「‥いらない。そんなのなくても走ることは走るから」

にやにやしていたのか鼻の下を伸ばしていたのか、
鏡でもないと見えないけど、
とにかく、ウツミにとって俺はむかつく顔だったらしく、
むにっと頬を引っ張られた。

「いてて。いきなり何すんだよ」
「‥よからぬこと考えてるだろ。そういう顔してる」
「ウツミの気のせいだって。さてと、どんなご褒美がいいかな」
「‥そんなご褒美なんか絶対いらない」

ウツミの怒っている目。

でも、ちゃんと知っている。

実はそんなに怒ってなくて、本当はちょっと期待してるってこと。

だけど、怒っている様子に折れることにした。

「ちぇ。色んなのを考えてたのに」
「‥言ってろ。おやすみ」

目を閉じながら背を向けたウツミは、かなり眠かったのか、
すぐに寝息をたてた。

「おやすみ、ウツミ」

ウツミの髪を撫でながら、静かに毛布を被った。
体を後から抱き締めて、ウツミの背中にキスをし、俺も一緒に寝た。

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