BLUE BIND
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 蒼空と流星の狭間 1 ]
2011-09-04(Sun) 13:20:39
阿久津城
「スイートルームは現在使用不可となっております」
「‥え?電話でちゃんと予約したんですけど」
「こちらのミスです。誠に申し訳ございません」
「俺達、どうしたらいいですか?」
「近隣のホテルを確保致しますので、
そちらでの宿泊でご了承頂けないでしょうか」
フロントマネージャー以上にがっかりしながら、
俺の服をウツミが引っ張った。
声がすぐにでも泣きそうなほど、細くて小さい。
「‥ジョー、ごめん」
「ウツミは悪くないんだから謝るなって。
それよりもどうする?帰ろうか?泊まるか?
ウツミはここのホテルのスイートがいいんだろ。
撮影やったこの場所がさ」
先月に来夏デザインの水着の撮影があって、
ウツミは、伊吹さんと四葉さんと桂馬さんと、
それから女性モデル数人と、
南国にあるこのホテルにて一泊したという。
同居するようになってからの外泊は、
俺にとってもウツミにとっても初めてだった。
だけど、信頼のおける四葉さんと桂馬さんがいたから、
俺は気にかかることなくウツミを送り出したのだ。
撮影した場所は、海辺、ホテル内のプール、
そして、スイートルームだったという。
ウツミが珍しく、スイートルームを気に入ってしまい、
俺とここに泊まりたいと言ってきた。
そんなわけで、学校が休みの土日を使って、
ここへとやってきたのだった。
しかも、全額ウツミ負担ときた。
撮影でのギャラがぶったまげた金額だったし、
こんな交通費や宿泊費なんか、
ウツミにとってら屁でもないような額ではある。
それでも、アリゾナの両親には連絡だけはした。
じゃないと、まだこれでも未成年だから心配されるし、
お金の出どころもしっかり親に言っておかないと、
どこにそんな金があったんだってな話しになるからな。
それなのに、ホテルの対応は残念なものだった。
泥酔した宿泊客が、バスルームや壁紙を破壊したみたいで、
ウツミが予約したスイートがプチ改装されている。
それにも関わらず、ウツミの予約を受理してしまった。
フロントマネージャーが、頭をさっきから下げている。
それでも、ウツミにとっては、
このホテルのスイートルームじゃないとダメなんだ。
「‥あの、スイートルームもう1つありましたよね?」
「生憎そちらには予約がございまして‥」
フロントマネージャーが、深々と謝罪する。
カウンターの台に乗せている手を震わせながら、
ウツミは目に涙を溜め始めた。
これはいよいよ悲泣してしまいそうな予感しかしない。
ウツミが宿泊したい理由はまだあった。
俺達の誕生日は、実はほどよく近かったりする。
誕生日をようやく先日迎えたばかりで、
特別な時間を、ウツミはここで祝いたかったんだろう。
俺は、そんなウツミの肩をぽんぽんと叩く。
「俺のことなら気にするなって。
時間はたくさんあるし来年にでもくればいい。
ウツミが疲れてないなら帰ろう?な?」
電車も飛行機も、まだあるはずだ。
ウツミとだったら、いつまでも空席待ちができるし、
どこにいても幸せで楽しいんだから。
にこりと笑うと、ウツミも笑った。
目の涙が、いつの間にやら消えていた。
「‥うん。そうしようか」
そうだよ、ウツミ、それでいいんだ。
来月も来年も、何年先も、俺達はずっと一緒なんだ。
今すぐここに泊まることはない。
特別な時間は、いつでもどこでも作れるんだから。
そんな思いが通じたのか、
ウツミもきっぱり諦められた顔になっていた。
俺に頷き、ウツミがフロントのカウンターで、
宿泊費の返金やら交通費の負担やら、
マネージャーと話をしようとした時だった。
「おや?侑津弥君に阿久津君?」
どこかで聞いたことのある声がして、
俺とウツミは顔をむけた。
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