BLUE BIND
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Author:水色
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僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
星が刻んだ未来さえ (69)
その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
僕達の学園祭 (8)
蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 決めたゴールを走れ 72 ]
2012-05-04(Fri) 06:00:00
「チームESの前澤チーフですよね?」
「あ、はい。そうです」
「ピットでの行動に感動しました。
宜しければ握手して頂けませんか?」
職業がメカニックで役職がチーフ、というだけで、
俺なんかサラリーマンと変わらない。
なのに、握手を求められるとは思わなかった。
ピットでのシーンは生中継されていたらしい。
楠先生も、目の前の人も、ピットでの俺の行動を見ていた。
見られていたという恥ずかしさもあったが、
恥ずかしさよりも嬉しさが勝ってしまったようで、
緊張しながらも笑顔になった。
「俺でよければ喜んでさせて貰います。
ただ、ケガしているので優しくお願いします」
手を出すとその手を見つめられた。
包帯を巻かれたり軟膏を塗られたり、
ガーゼやテープも、あちこちに貼られてある、
オーバーに処置されてしまった両手。
そのせいか、握るというよりは触れるだけのような、
優しい握手を交わした。
「ありがとうございます」
「あ、いえ、こちらこそありがとうございます」
「これは名誉の負傷ですか?」
「あはは、まさにそうです」
「そうですか。だから、チームESは優勝したのですね」
「優勝できたのはドライバーの実力です。
メカニックのはそれをフォローだけですから」
そう言うと、この人は笑った。
「あなたは強くて優しい人だ」
それは買い被りだろう。
だけど、言われて悪い気はしない。
笑って返すと、この人も笑った。
言葉のいらない会話だった。
その時、こちらに少年がやってきた。
小柄な男性で、たぶん20歳前後だろう。
大学生っぽい面影がある。
「満さん」
「どうしましたか、舞斗君?」
耳元でこそこそと内緒話をする。
この人が頷くと、舞斗と呼ばれた少年は去っていった。
「お連れの方、あっちに行きましたけど?」
「ええ。大丈夫です。
そうだ、よかったらパスタを取っていって下さい。
八剣オーナーの推奨なんですよ」
「オーナーをご存知なんですか?」
「オルテンシアという名前のパスタ専門店があるのですが、
オーナーが八剣さんなんです。
私はしがない雇われSVですが、今日はパスタの新作を、
このパーティーに持ってきたんです」
パスタの店もやってるって噂があります。
オーナーは出資するだけで表立たないんですよ。
社長も取締も、人をわざわざ雇ってますから。
更衣室の佐原の言葉を、思い出す。
噂ではなくどうやらマジな話だったようだ。
こちらにどうぞ、と言われてついて行くと、
ビュッフェに並んでいるパスタのコーナーに着いた。
この人が中にいるシェフに手を上げると、
皿にとったパスタを渡してくれる。
新作パスタの説明をされて、続いて名刺も出された。
「申し遅れましたが楠と言います。
オルテンシアはチェーン店展開しておりますので、
ぜひ食べにいらして下さい」
「あ、はい。ありがとうございます」
「仲良さそうに何話してんだよ?」
シャンパングラスを持った光さんがやってきた。
面白くなさそうな表情で、じっと俺と男性を見ている。
インタビューや取材は一通り終了したようだ。
「パスタの話をしてもらってたんですよ光さん」
「それにしては楽しそうじゃん」
「光、やきもちなんてみっともないよ」
楠さんが光さんを、さらりと呼び捨てにする。
俺の頭に、ハテナマークが浮かび上がってきた。
どういうことなんだろう、これは。
そんな俺の疑問に答えたのは、光さんだった。
「満兄は、いとこなんだよ。
じいさんの息子の子供が満兄。娘の子供が俺」
今日1日で、光さんの親戚に会いまくりだ。
知ることができて嬉しいけれど、
情報の処理が嬉しさに追いつかず、はあと答えた。
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