BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ ゴールの先に在るもの 1 ]
2012-06-04(Mon) 06:10:16
最終戦終了後、ミーティング三昧の日々だった。
光さんは優勝者ならではの忙しさで、
ミーティングに顔を出すこともあるけど、
イベントに呼ばれたり、取材とか撮影とか、
そっちで忙しそうだ。
あれから1ヶ月になるのに、光さんと逢えたのは、
ただ1度だけ。
それもプライベートではなく、やはりミーティングだ。

俺はいいとして光さんからのメールが、
すごいことになっている。
どんだけ俺を避けるんだよ、とは一昨日の文面。

避けている暇すらない。
ってか、嫉妬している女性みたいなメールに、
色々と考えて勝手に怒ってる、いつもの光さんが浮かび、
何となく笑ってしまった。

でも、今日と明日は、チーム全体でのオフだ。

つまり、やっと光さんに逢える。

今日9時、家の近くのコンビニで待ち合わせていた。
それなのに光さんはというと、8時に到着し、
着いたから早くこい、というメールを送ってきた。
逢うのが楽しみなのは判るけど、こういうところ、
可愛いというか面倒臭いというか。

すぐに行きますとメールを返して、
バッグを担いで、アパート近くのコンビニへ行くと、
光さんが待っていた。

「おはようございます」
「おはよう。ちょっと早かったか?」

判ってるくせに聞いてくる。
さすがに己でもやりすぎたと感じたのか。
目がちょっと泳いでした。

「いえ、大丈夫です」
「そうか。そうだよな。さっさと出発しようぜ」

光さんが運転席に座った。
俺は助手席に乗り、シートベルトをすると、
イグニッションキーが回される。
そして、高速に乗って目的地へ走った。

目的地は、俺の姉の家だ。
元々はそこに実家があった。
1階がラーメン屋、2階が住居、という建物だったが、
両親が亡くなってから実家を壊してしまい、
姉はそこに新築を建てたのだ。
と言っても7年前の話だけど。

姉には光さんと行くこと、電話でちゃんと報告した。
伝えた時、鼓膜が破れるような悲鳴を上げていたっけ。
本物見ちゃったら失神するかもしれない。
なんて考えて笑った。

「おい、聖。にやにやしてどうした?」
「あ、いえ、姉ちゃんが光さんに逢ったら、
 どうなるのか想像していました」
「いきなりハグされたりして」
「かもしれませんね」
「聖はそしたら妬いちゃうかもな?」
「まさか。それはありません」

光さんはつまらないといった感じに、
ぷくっと頬を膨らませた。
ちょっと言葉足らずだったかなと反省し、
光さんに追記を述べる。

「光さんがいつどこで誰にハグされても、
 俺はあなたが好きですから」
「え?あ、ああ、そうだな」

赤くなった光さんもいい。
そんなことを思いながらまた笑った。

次話へ

お待たせしました。
ようやく番外編スタートします。
もちろんエロもありますので(笑)
ごゆっくりお付き合い下さい。


お気に召しましたら一票お願いします。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
ゴールの先に在るもの | TB:× | CM : 0
ゴールの先に在るもの(ゴール番外編) 目次HOMEゴールの先に在るもの 2

COMMENT

COMMENT POST

:
:
:
:



 
 管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
  
Item + Template by odaikomachi