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  [ ゴールの先に在るもの 2 ]
2012-06-07(Thu) 05:30:00
姉の家に着き、インターホンを鳴らした。
ばたばたと走ってくる音がして、勢い良く扉が開く。
「後藤野選手!ようこそお越し下さいました!」
これが第一声であった、俺の姉。

久々に遊びにきた実弟が前にいるというのに、
清々しいほどこちらに見向きもしなかった。
まあ、こうなると思っていたから驚きもしない。
むしろ、予想通りの展開に苦笑いした。

「こちらこそお招き頂きありがとうございます」
光さんも光さんで、ファン用のスマイルを浮かべて、
姉ちゃんに握手を求めた。
玄関先で、がっちりと握手なんぞする2人。

俺、このまま帰ろうかな。

と思った時、姉ちゃんの後ろから、
潤と翔がやってきて俺に抱きついてきた。
「聖ちゃん、こんにちは!」
「聖たん、こんちは!」

挨拶が上手な潤と、挨拶を真似る翔。
潤は5歳の女の子で、翔は3歳の男の子だ。
両手で抱き上げた2人に、すりすりと頬擦りする。
柔らかい頬が、とても気持ちいい。

「こんにちは。元気だった?」
「うん!元気だよ!」
「元気だお!」
「ママ達は置いといて俺と遊ぼうか」
「うん!遊ぶ遊ぶ!」

姉ちゃんと光さんを残したまま、
潤と翔とさっさと家に入り、
リビングの隣の部屋で遊ぶことにした。
部屋は和室で、おもちゃや本が置かれている。
潤の希望で、おままごとを始めると、
ようやく姉ちゃんと光さんが上がってきた。

「あら、聖。久し振り」
「あ、うん。久し振り」
やっと挨拶ですか、というツッコミを飲み込んで姉に言う。
その姉はキッチンへ入り、コーヒーを淹れ始めた。

光さんはリビングのイスに座って、
淹れたてのコーヒーを飲み、こちらを眺めている。
それも、にこにこしながらだ。

「光さん混ざります?」
「いい。見てるほうが楽しいから」
「そうですか」

俺はそのまま子供達と遊んでいて、
姉ちゃんと光さんはずっと喋っていた。
昼食にはデリバリーの寿司をとってくれて、
みんなで摘んで食べた。
翔は玉子が好きで、潤はサーモンが好きだ。
残ったネタを3人で適当に食べていく。

食後、姉弟は昼寝し、ようやく一休みとなった。
昼寝が終わってまた適当に遊んでいると、
博がようやく仕事から帰ってきた。
実は博は、高校時代の同級生だ。

姉ちゃんと同じで、まずは光さんに驚き、光さんと喋り、
俺のことに気づいたのは後のことだった。
それをネタにして、みんなで大爆笑をした。

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