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  [ ゴールの先に在るもの 3 ]
2012-06-10(Sun) 06:45:00
夕食は、俺がチャンプルーを作った。
姉一家の大好物だが、なかなか姉は上手く作れない。
だから、遊びきなさい、とたまに電話がくる。
潤と翔と博が、幸せそうに食べてくれる。
そんな顔を見るだけで俺も幸せだった。
姉ちゃんにとってはチャンプルーを作ってくれるし、
子供達と遊んでもらえて自分は休んでいられるし、
まさに一石二鳥だろう。

中華で揃えた夕食が済むと、姉ちゃんが風呂を入れた。
俺は、ここにくると必ず潤と翔と入っている。
今日もそのつもりで風呂用のおもちゃを購入していた。
そこら辺は抜かりない。

「いいな、俺もおもちゃで遊びたいな」
と、光さんが笑いながら言った。

マジでおもちゃで遊びたいのか。
それとも俺と一緒に風呂に入りたいのか。

いや、飲みすぎて酔っているだけだ。
博と姉と、光さんの3人で、
ビールやらワインやら、浴びるように飲みながら、
さっきから楽しそうに喋っているもんな。

酔っ払いはリビングで盛り上がっててもらって、
俺達は楽しく風呂に入った。
上がって麦茶を飲んだら、2人はすぐに寝てしまった。
生まれた時から、寝る時も起きる時も、
ぐずったりすることはほとんどないという。

寝顔は天使、なんて言うけど、
起きていても天使じゃないかと思う。
それくらい、可愛い2人だ。

「聖、あんたも飲みなさいよ」
姉が傍にきてビールを俺に勧めてくれる。
それを受け取って喉を潤した。
潤と翔を見ながら飲む酒も悪くはない。
俺はビールを持ったまま、リビングの3人に加わって、
ようやくみんなと喋ることができた。

それから時間はすぐに経過していき、
光さんと俺は、和室に用意してもらった布団に寝転んだ。
俺達の狭間に、小さな天使達も寝ている。
潤と翔も、ここに連れてきて転がしたのだ。

「遊びにきたら子供達と寝てるのか?」
小さな声で、光さんが話しかける。

「そうですね。特に潤が、
 聖ちゃんと寝たいって言ってきます」
「こんなに小さいのに、聖の虜か」
「やきもち妬きますか?」

笑いながら言うと、光さんも笑った。
いくら俺でもやきもち妬くわけないだろ、
とでも言いたそうな笑いだった。

「そろそろ寝ましょう。明日と明後日は、
 ミーティングもあってハードなんですから」
「そうだな」
俺達は閉眼し、朝までぐっすりと眠った。

このメンバーで最初に目覚めたのは、翔だと思う。
翔の声がして、潤も起きて、2人は次第に、
俺や光さんの顔を突いてきた。
布団に潜ったままで4人で遊んでいると、
姉がやってきてごはんだと言った。

「聖、何時くらいに出発するんだ?」
ごはんが終わって、姉が淹れたお茶を飲んでいると、
博にそう訊ねられた。

「午後からミーティングがあるから昼前だな。
 昼ごはんは外食で済ませるよ」
「そうか。フォーミュラニッポンってのは、
 レースがなくても、スタッフは忙しいんだね。
 今度は、もっとゆっくり遊んびにきてよ」
「あ、うん。ありがとう」

笑う博に、笑って返事を返した。
そして、博は光さんを見て言った。

「また後藤野さんと一緒にね」

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