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  [ ゴールの先に在るもの 4 ]
2012-06-13(Wed) 05:00:00
光さんの車が、国道を走ってから高速に入る。
目的地はチームESの本部があるビル。
そこで、全スタッフによるミーティングが行われる。
「おい、聖。いいのか?」
「何がですか?」
「ウソなんかついて家を出てきたことだよ。
 もっとのんびりしたかっただろう」
「ウソなんかついていません。
 ミーティングあるじゃないですか」
「あるけど、今日じゃなくて明日だろう」

そう、ミーティングがあるのは、本当は明日の午後だ。
今日はビル付近のにある高級ホテルに、
さっさとチェックインし、光さんと泊まる。

つまりは、決勝後のあれから久々ということだ。

「姉ちゃんの家にはいつでも遊びに行けます。
 でも、光さんとのんびり過ごせるのは、
 スケジュール上いつでもって訳にはいきませんからね」
「ん、まあな」
「そもそも、送られてくるメールの量からして、
 ホテルに行きたがっていたのは俺よりもむしろ‥」
「いちいち言うなってのっ」

照れ隠しなのか声が強くなった。
可愛い反応に、くすりと笑みが漏れる。

「言わせて下さいよ」
「お前ってそんなこと言うやつだったっけ?」
「そうですけど知りませんでした?」
「ああ、知らなかったし気にもしなかった」
「そうですか。それならホテル行くのやめます?」

笑って言うと、光さんはエンジンを吹かした。
「うるさい。黙って乗ってろ」

俺はおかしくて笑い声をどうにか堪える。
何だかんだ言いながらも、
光さんだってずっと楽しみだったはずなんだ。

逢ってホテルに入ってやることやる、
というのは、ムードも色気もないけど。

でも、それでもいい。

ケガがほとんど治ってきているこの手で、
やっとこの人に触れることができる。
ずっとずっと、触りたいって思っていた。
白い肌、滑らかで柔らかそうな首、
服の下のあれこれにもこの手で触れるんだ。

「おい、聖。何こっち見てんだ」
「楽しみだなって思ったら、光さんを見てました」

光さんは照れたのか、むっと唇を尖らせて、
無言のまま赤面した。

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