BLUE BIND
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Author:水色
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 雨上がりの最果てで 3 ]
2012-12-04(Tue) 05:05:00
いつも通り倉庫の整理を行っていた。
それから、ヘルプでレジに来てくれと言われたから、
1Fにある文具階のレジを手伝っていた。
店舗の営業も終了し、バックヤードの残務があるのみ。
あと1時間したらバイトが終了する。
その前にちょっと休もう。
レジにバックヤードに、ハードで疲れた。
非常階段で、缶コーヒーを飲む。
飛行機が、夜の中でちかちかと光を放つ。
遠くに見える星も、とてもキレイだ。
俺、こういう景色が幻想的で大好きなんだ。
そんな時だった。
ばん、とドアが開いた。
横を見ると波多野が扉を出てきた。
顔を赤くして息を荒げている。
「波多野?どうした?」
俺からそう声をかけて、
ようやくこっちに気がついてくれた。
瞬間、泣きそうな顔になった。
「仲村‥さん‥」
「何?どうしたんだよ?」
「あの‥俺‥俺‥」
何か言おうとして口を噤んでしまった。
息を荒げたまま目を逸らされる。
言おうかどうしようか考えているようだった。
「どうしたんだって?なあ?」
「誰にも‥言わないで欲しいですけど‥」
「うん、判った。それでどうした?」
「柏葉さんと佐伯さんが‥2人が‥室内で‥」
波多野は目を逸らしたまま俺を見ない。
俺のシャツを掴んできた手が、
ふるふると震えている。
耳も顔も、熟したリンゴのように赤かった。
すぐにピンときた。
2人のキスシーンを目撃したんだろうと。
「キスしてた?」
そう言うと、波多野は驚いたような目になった。
どうして判ったんですか、とでも聞きたそうな顔だ。
にこりと俺が笑うと、波多野はゆっくり深呼吸をして、
顎まで落ちた汗を、ぐいっと手の甲で拭った。
「そうです。キス‥していました‥」
「そっか」
「仲村さんも目撃したこと、あるんですか?」
「うん。少し前に、たまたまね」
波多野が、くっと目を細めて、
ぺたりと力なく座った。
目撃した現実を、どうにかして処理しようとしている。
「イヤだった?」
優しく訊ねると、波多野は困った顔になった。
柏葉さんも佐伯さんも、いい人達なんだ。
俺達がバイトだからって見下したりもしないし、
いつだって気にかけてくれたり優しくしてくれる。
冗談を言って一緒に笑ったり、
クレームがあれば真剣に対応してくれるんだ。
そんな信頼のある人物だからこそ、
波多野はキスシーンに混乱したのだろう。
俺にしては珍しく、ちょっと意地悪な質問をしたかな。
「ごめん。変なこと聞いた」
「いいんです。イヤ‥ではありませんでした‥。
ただ、人のそういうの見るのが初めてだったんで、
びっくりして‥ちょっとパニックに‥」
「そっか。まあ、落ち着いて落ち着いて」
波多野の背中を、ゆっくり撫でながら、
缶コーヒーを渡した。
すみません、と呟きながらそれを飲むと、
ほっと安堵した表情になる。
間接キスくらいで喜ぶような年頃ではないが、
返された缶コーヒーに、どきどきしてしまった。
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