2017-02-07(Tue) 13:46:13
スタッフ全員が本部に集合していた。
本部でいつも使っている大きい会議室に、 スタッフが並んで座っていた。 総勢30人近くはいると思われる。 俺の隣は、後藤野光。 F1で活動している俺達チームESの、 メインドライバーだ。 初対面では、睨まれて怒られて叩かれて、 ヘルメットを投げつけられるという、 過去にないほど最悪なものだった。 しかし、チームメイトとして受け入れてもらえて、 打ち解けていって何でも話すようになり、 現在では俺の恋人である。 「おい、聖」 「あ、はい」 「じっと俺のこと見てるけど、どうした?」 「いえ、何でもありません」 つまんない、とでも言いたげに、 光さんが目を逸らした。 「あっそ」 呼ばれた俺は、前澤聖。 チームESのメカニックチーフをしている。 チーフってだけで、ヘルメットを投げつけられた、 とても不幸な野郎である。 ちなみに、光さんも俺も、 同性と付き合ったのはお互い初めてだ。 付き合い方も、性交渉の方法も、 異性のものとは違うだろうと思っていたけど、 思ったほど差はなく、案外うまく交際している。 ただし、チームメイトには内緒にしている。 そういう目では見られたくないし、 公私混同はしたくないという意見一致でだ。 「おい、聖」 「あ、はい」 「だから、用がないなら見るなっての」 どうやら、光さんのことを見つめていたらしい。 だが、怒っているようで光さんは照れていた。 見つめられて満更でもないように思えてしまう。 微笑ましい態度に、笑いそうになった時、 八剣オーナーと監督が、揃って会議室へ入ってきた。 次話へ お気に召しましたら一票お願いします。 ゴール2!始まります! 聖と光の行く末と、レース展開に、 宜しければお付き合い下さい。 |