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寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 君、何を想う 1(R18) ]
2010-07-20(Tue) 03:31:16
笹崎侑津弥
「どうしてお前みたいなのが生まれてきた!」
はっと目が開いた。
夢、だった。
見慣れた天井に、ほっと肩の力が抜ける。
隣にはすやすや寝ているジョーがいた。
「‥はあっ‥はあっ、はあっ」
妙に心臓の鼓動が早く、かなり息切れしている。
張り裂けそうなくらいに胸が痛い。
シャツを握ると、汗でぐっしょり濡れている。
上半身を起こした瞬間、込み上がるものを胃に感じた。
「‥むぐっ」
慌てて口を押さえ、トイレへ行って吐いた。
親が出る夢で、いつもこうなる。
どうしても吐いてしまう。
心や頭が、こうして両親を拒絶している。
でも、ジョーがいるから、大丈夫。
生きていることを許されている。
そう思うと、ちょっとだけ落ち着いてきた。
トイレを流して、キッチンで水を飲んでいると、
起こしてしまったのかジョーがやって来た。
「ウツミ、また吐いた?」
キッチンに入るジョーは、眠そうに目を擦っている。
だけど、とても辛そうな顔だった。
ジョーのせいじゃないんだから、そんな顔されても困る。
「‥うん。でも平気だから」
「そうか」
ジョーに頭を撫でられて、ふんわりと心が温かくなった。
「‥もう一眠りしよう。せっかくの日曜潰したくないし」
「俺はせっかくの日曜をベッドで過ごしてもいいけど?」
「‥ジョーってそればっか」
エロくてやらしい。
でも、今はそういう明るさに救われる。
寝ていた部屋に戻ると、ジョーが別のシャツを出してくれた。
汗まみれのシャツを脱ぐと、後からぎゅっと抱きつかれた。
そのまま、ジョーは背中に頬擦りしている。
「‥何だよ。どうしたんだよ?」
「別に」
俺の辛そうな顔を見るのが、ジョーは辛いんだと思う。
判っていても吐くのだけは俺にだって止められない。
もっと俺が強ければ、トラウマなんて克服できるんだ。
弱いからこうして吐いちゃうし、ジョーに心配をかける。
どうすれば強くなれるだろう、と自問自答。
答えは出ない、出ていたらとっくに強くなれている。
ジョーの腕を解いて、向き合って正面から抱き締めた。
「‥着替えないと風邪ひくだろ。いつまでくっついてんだ」
「ウツミだって抱きついてんじゃん」
「‥俺はいいの」
「何だそれ」
あははと楽しそうにジョーは笑った。
次第にジョーの肌が当たらない部分が、少しだけ冷えてきた。
それが伝わったのか、ジョーの腕の力が緩まる。
シャツに腕を通すと、背中にキスをされて鳥肌がたった。
「‥シャツ着られない」
「気にしないでいいから」
「‥だって‥んっ」
シャツ着たら、ジョーのキスが終わってしまう。
それに、背中のキスって気持ちいい。
皮膚が薄いのかダイレクトに感覚が伝わってくる。
俺はシャツに腕だけを入れたまま、キスを浴び続けた。
まるで、シャツが手枷みたいだ。
「ここ、脊柱起立筋」
ウエスト辺りにキスが落ちる。
「‥んん、そ‥だな‥」
「それでここが、大円筋」
大円筋、というよりは脇の下をジョーに吸い付かれた。
「‥あ、あ‥ん‥」
「で、ここが、えーと‥」
保健体育で習ったばかりの筋肉の名称を呟きながら、
ジョーの唇が背中を離さない。
こんなことのために授業で勉強してるんじゃないけど、
テストで大円筋が出てきたら俺が赤面しそうだ。
それに、もう、背中のキスだけじゃ満足できなくなってきた。
「‥ジョー」
「どうした?」
だからって、背中ばかりじゃなくて普通にキスしたい、
とは恥ずかしくてなかなか言えない、複雑な男心。
「‥も、いい‥から‥」
「いいじゃん。ウツミの背中美味いよ」
汗だらけの背中を舐めていく、ジョー。
そうしながら、ジョーが胸をさわさわと撫でてきた。
「‥くっ」
俺の全てを知る手が、胸を滑る。
時には強く、時には触っているか触っていないか、
微妙なタッチ具合で。
「このまま続きしていい?」
「‥うん」
頷くとうなじにキスが落ちてきた。
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