BLUE BIND
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Author:水色
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 風のように遥かに 8 ]
2010-08-05(Thu) 03:15:11
途中、先輩にコンビニへ立ち寄りたいと要求された。
「マキ、どっちがいい?」
と言いながら差し出されたのは、レモンとミルクのアイス。
先輩は、飲み物を買ってくるって言っていたのに、
アイスに変更した挙句、俺のアイスまで買ってくれた。
「じゃあ、レモンをゴチになります」
ガードレールに並んで座って、俺達はアイスを頬張る。
「アイス美味いっすね」
「そうだね。いかにも夏って感じだよね」
ぱくっとアイスを頬張ったミナミ先輩。
その口脇から、溶けたアイスが零れていく。
白いアイスが垂れるのを見ていたら、
なぜだか卑猥な妄想をしてしまい、思わず口元を押さえた。
この邪念、退散させないとマジで危険だ。
「どうしたの?」
「ふえ?あ、や、何でもないっす!」
覗き込んだ先輩に顔を背けて、アイスを食い尽くした。
「‥ちょっと意外だったなあ」
先輩が、アイスの先をぺろりと舐めながら呟く。
「何がですか?」
「マキはミルクを選ぶかなって思ったんだ」
「先輩、もしかしてレモンが食べたかったですか?」
「違う違う。そういう意味じゃないよ」
微笑し軽く首を振る先輩に、俺はこう続けた。
「俺はミルク臭いガキ、ってことですか?」
自分で言っておいて気分が悪くなった。
「そういう意味でもないよ。
マキにしては随分と卑屈な意見じゃない」
「だって‥」
だって、俺はガキ扱いなんて、されたくない。
先輩を守っていける立派な男になって、
そして、俺のことをいつか認めてほしいだけだ。
ただ、こんな思いなんて届かなくていい。
この関係を保持して、先輩をずっと見守っていきたい。
「だって、の続きは?」
「‥レモンってキスの味じゃないっすか」
「キスしたことないの?マキもてるよね?」
「もてませんよ」
1ヶ月に約2回、告白されているのは事実だ。
リレーの影響なのかはたまたサッカーの影響なのか、
どちらにせよ、俺のことを好きになってくれる子がいる。
でも、俺は、恋愛よりもサッカーに集中したかった。
だから、告白は、どれも全て丁寧に断ってきた。
ただ、告白される頻度が、多いのか少ないのか、
それがもてるという指数になるのかどうかは、
俺自身、判断つかないし興味すらもなかった。
「先輩は?したことあるんすか?」
じっと見ながら訊ねると、ミナミ先輩は、
何か言おうとしていた唇を止めてしまった。
キスのことどう言おうか悩んでいる、そんな表情だった。
たぶん、キスくらいしたことあるんだろう。
言えないのは恥ずかしいからか。
それとも、言えないような理由を含んでいるからか。
その時、残っていたミルクのアイスが溶けきってしまい、
真っ白い液体が先輩の手を汚した。
「あ‥あはは‥アイス溶けちゃった‥タオルタオル‥」
先輩は、作った笑顔を浮かべて、
タオルを取ろうと慌ててバッグを探っている。
慌てている表情すら愛しくて、邪念も限界で。
俺は先輩の手首を掴み、手に流れるアイスを舐め取った。
「‥え?」
驚くミナミ先輩の手首を離さないで、
指と、指の間と、腕にまで零れた甘いアイスを、
ゆっくりと舌で舐め取っていく。
先輩の皮膚や、爪さえも味わうように。
眉間に皺を寄せながら息を飲んだミナミ先輩は、
手を払うこともなく、俺を怒ることもなく、
舌を這わしている俺を見ているだけだった。
全てをキレイに舐めてから、俺は先輩の手を解放した。
「はい。キレイになったすよ」
「う‥うん‥ありがと‥」
それからの先輩は無口になってしまった。
家まで送って玄関で別れた時さえも、
お礼は言われたけど目を合わせてくれなかった。
あんなことしたから怒らせたんだと思う。
邪念退散ができなかった意志薄弱な、自分。
この思いは、退散するのではなく受容するしかないのか。
胸がちりちりと痛む。
筋肉痛とは全然違った、これまでに感じたことのない痛みに、
俺はちょっぴり切なくなって泣きそうになった。
走ってきた道路を戻りながら、
明日ミナミ先輩に謝ろうと誓った。
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