BLUE BIND
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と思ってリンクを繋ぎました。
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 風のように遥かに 10 ]
2010-08-06(Fri) 10:00:43
練習終了後。
タツ先輩が再び俺に襲来してきて、
これからごはん行くからこいと言われてしまった。
噂に聞く、キャプテンの説教タイムだ。
噂によればファーストフード店の、片隅の座席で、
相手をイスに正座させ、タツ先輩が延々と説教するらしい。
態度が悪い、気合が無い、意欲を出せ、
できないなら退部してしまえ、俺が監督に話す、
とそうやって半ば脅されるそうだ。
あくまで噂レベルの話だけど、
火の無いところから煙が立つことはない。
ここでサッカーを続けたいなら気をつけろよ、
と先輩達からこっそりと忠告されていた。
それがとうとう俺にやってきてしまった。
噂か真か、確認の絶好の機会、
とポジティブに捕らえられないまま、
ファーストフード店のイスで固まっていた。
タツ先輩となぜかリュウ先輩もいて、
片隅の座席を3人で陣取る。
テーブルには買ってきたものが並んでいた。
練習後で、体はへとへとで腹はぺこぺこ。
脳がエネルギーを欲していると判ってはいるが、
怖いくらい食欲が沸かなかった。
眼前の先輩達の存在と、説教されることへの恐怖心で、
誰だって空腹なんか削がれること間違いない。
「そんなに緊張するな。とりあえず食べておけ。
練習後だからエネルギーは摂取したほうがいい」
マジメで成績のいいタツ先輩が、ハンバーガーを食べ始めた。
「はい‥じゃあ‥いただきます‥」
語尾がフェードアウトしそうな返事をしつつ、
ハンバーガーの包み紙を剥いた。
たぶん、普通に美味い。
だけどタツ先輩のオーラで美味さがなぜか半減していく。
いや、むしろ味が判らない。
「かかか。そんなに緊張するなって、マキ」
タツ先輩の隣で、リュウ先輩が笑う。
もうだめだ俺は耐えられない。
説教なら説教だと、はっきり言ってほしい。
こんな半端な状況のままで、
ハンバーガーやらポテトやら食べたくなんてなかった。
「でも‥あの‥これから説教ですよね‥」
俯きながら訊ねると、タツ先輩が真顔で首を傾げた。
「マキは説教されたいのか?Mなのか?」
俺だけの時間が止まった。
Mって何だ?
サドかマゾかのMか?
「それともSなのか?」
「マキはMだろ。なあ?」
なあって聞かれても困る。
同意を求めるリュウ先輩を見ながら、俺はまた訊ねた。
「それって何っすか?」
「おいおい。SとかMとか、それくらい判るだろ?」
やっぱりそのイニシャルみたいだ。
って、えええええ。
あの堅物なタツ先輩が、そんな発言するのか。
そういうネタが嫌いそうに見えるのに。
「それなりには。でも‥ええと‥俺どっちか判りません‥」
「そうか。それなら仕方ないな。
ちなみに俺はMだな、たぶん。リュウはSだよな?」
タツ先輩は微動せず、コーヒーを飲んだ。
「あのさ、タツ、マキ引いてるよ?」
「む?どうしてだ?これくらい下ネタにはならんだろ」
「そんなことも判らないタツが楽しいなあ。かかか」
リュウ先輩は爆笑していた。
飲んでいたコーラをトレイに置いて、
腹を抱えながらテーブルへ突っ伏すほどに。
2個目のハンバーガーを頬張りながら、
笑うリュウ先輩を睨むタツ先輩。
「じれったいな。何だと言うんだ、一体」
どうやら、タツ先輩は天然らしい。
俺もおかしくて笑いたかったけど堪えていた。
「どうせ、こんなこと言うタイプに見えないとか、
そういうことだろうがな」
タツ先輩は、ポテトを齧りながら続けた。
「大体、俺は自ら、マジメですとか言った覚えはないぞ。
周りがそう勝手に思ってるだけだ」
「そうそう。タツって、頭いいのは確かだけど、
かなり性格緩いぞ。この顔のせいで堅そうに見えるだけで」
「この顔は生まれつきだ。文句なら親に言え」
漫才のような2人のやりとりに、俺はとうとう笑いだした。
「あはは。すみません笑い堪えられないっす。
タツ先輩もリュウ先輩もどっちも最高です。あはははっ」
タツ先輩のこと、喋りにくそうだって勝手に思っていただけで、
実は、楽しそうな人なのかもしれない。
俺の笑った姿に、両先輩はほっとしたように微笑んだ。
タツ先輩のそういう笑顔、初めて見た気がした。
「ようやく笑ったな、マキ」
優しい声色でタツ先輩が言った。
「ここ数日のマキは、考え込むような堅い顔ばかりだった。
マキはムードメーカーになっているからな、
もうちょっと笑顔でいたほうがみんな練習がやりやすい」
「はいっす」
「それと、俺でいいなら相談事を聞いてやるぞ。
解決できるかどうかは別問題だがな」
真剣に頷くタツ先輩と、笑顔のリュウ先輩。
解決できるのは自分しかいない。
そんなのは言われなくても判っている。
だけど、話を聞いてもらって心を軽くしたいと、
そう願う俺がいた。
俺は、ふうっと息を吐いて顔を上げた。
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