BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 風のように遥かに 17(R18) ]
2010-08-11(Wed) 22:10:20
固唾を、ごくりと飲み込んだ。
しっかりした答えが返せなかった。 
どうしたいって、そりゃあ付き合えたら、
サッカーの練習はあるけど、デートをしたり、
高校生らしからぬ不健全なことしたい。
回答は、そういうことでいいのか、そうじゃないのか。

「どうって‥そんなつもりじゃ‥」
「そっちからキスしておいて、
 そんなつもりじゃ、ってどういうこと?」

言葉を鋭くして訊ねてくる先輩。
それに対して、しどろもどろになる、情けない俺。
ここから逃げ出したくなった、その時だった。

「マキはセックスしたいの?」
ミナミ先輩は真顔だった。

したいです、と言っていいのか試されているのか。

先輩の意図が見えなくて黙っていた。

すると、ふうっと溜め息をつきながら、
クリップボードを自分のロッカーにしまった先輩が、
俺の短パンに手を添えた。
大胆な行動に、んぐっと息を飲み込んだ。

「マキの返事待てないや。じゃあ、しよっか」
笑顔で言う先輩に、ぞくっと寒気がする。
先輩が一瞬、知らない人みたいだった。

それでも、チャンスを逃したくないと思い、
寒気を無視し、勇気を振り絞って先輩の肩を掴んだ。
「してもいいんですか?」
「いいから言ってるんだよ」

いつもみたいに。

俺をあやすような声と、柔らかな笑み。

邪念と理性が、それら全てに負けた。

ここで先輩とする展開になったけど、
方法や手順が、頭の中でめちゃくちゃに混ざり合い、
いきなり手も足も頭も動かなくなる。

顔に触れようと手を上げたら、なぜか足も出てしまい、
ロボットダンスみたいになった。
「したいのに緊張してるんだね。マキらしいよ」

軽快に笑う先輩が、俺の手をシャツの中へ導く。
「ここ触って」

言われて頷くと、先輩はえへへと微笑んだ。
嬉しいような恥ずかしいような、
先程の寒気は何だったのかと思ってしまうような、
そんな無邪気な笑顔だった。

熱い先輩の肌が、俺の緊張を解し、
胸を触っているという感覚が徐々に指へ伝わってきた。
すすっと手を動かすと、胸の突起に指先が触れ、
先輩の体がぴくりと揺れる。

「‥んっ」
初めて聞いた色っぽい声だけで、血が沸く。
調子に乗って胸元を撫でると、先輩は自らシャツを上げた。
切なそうに見つめられる中、ぺろりと胸を舐める。

「んあ‥っ」
目の前でふるっと体を揺らした、ミナミ先輩。

ロッカーに上半身を預ける先輩を見ながら、
先輩の短パンに右手を忍ばせる。
少し勃っていた先輩のが涙を流していて、
とうとう触ってしまった、という感動と後悔が同時にきた。

ここまできたら後に引けないんだ、と改めて思った。

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