BLUE BIND
BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
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Author:水色
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初めにお読みください (1)
青い空を見上げて (31)
僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
星が刻んだ未来さえ (69)
その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
僕達の学園祭 (8)
蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
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雨上がりの最果てで (58)
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 風のように遥かに 26 ]
2010-08-20(Fri) 04:50:51
「飛鳥の生まれ変わり‥なんだ‥」
嬉しそうに呟いた、ミナミ先輩。
そして、先輩は静かにこっちを向いた。
小さく震えて、ぎゅっと拳を握り締めている。
「飛鳥が亡くなってから1年しか経ってないのに、
少しずつだけど飛鳥の声色とか忘れてきているんだ。
記憶にしか残らないのに、記憶だって消えていく」
目頭を赤く染め、先輩は涙を溜めた。
涙の表面張力が負け、頬を伝ってから畳に落ちていく。
先輩は、それを拭かずに、じっと俺を見ていた。
「マキの好意を僕は利用した。
飛鳥のことを思い出すために部室でしたのに、
ほとんど思い出せなかった。
それどころか、マキのこと好きになってた」
悲哀な表情が、少しずつ俯いていく。
そして、乱暴に涙を拭いた右手で頭を支えて、
髪の毛をちぎれんばかりに指に絡めた。
「また誰かを好きになって、また誰かが亡くなっていく。
僕は、忘れていくことが怖い。
好きなった人がいなくなるのは、もっと怖いんだ。
そんなことを繰り返すくらいなら、
僕はこのまま一人で生きていきたい‥っ」
息つく間もなく言うと、先輩は震えて嗚咽を漏らした。
部室の扉前で聞いたのと同じものだった。
先輩は、いつからか俺を好きでいてくれた。
それでも、飛鳥さんを忘れまいと必死だった。
重すぎるその辛さ、少しでもこっちに分けてほしい。
そう願って、先輩の震える右手に触れた。
「忘れることは罪じゃないっす。
きっと、飛鳥さんの記憶が、
先輩が生きていくための空間を作ってるんすよ。
俺はそう思います」
飛鳥さんなら先輩のために、やりかねないでしょう。
写真は、当然だろと言わんばかりの笑顔だった。
先輩は俺の言葉に対し、頭をゆるゆると振っている。
否定したいけど、肯定したくない、
マキなんかに飛鳥の気持ち代弁できるはずがない、
と言いたそうなオーラがここまで届く。
飛鳥さんの気持ちなんて、俺にだって判るはずがない。
逢ったことないし、喋ったことないし、
何が好きで何が嫌いか、どういう人なのか知らない。
だけど共通点がある。
それは、先輩のことが大好きってとこだ。
「何も知らない俺が言うなんて、おこがましいですけど、
俺がもしも飛鳥さんと同じような立場なら、そう願います。
大好きな先輩の、これからのために」
先輩が、ゆっくりと顔を上げてメガネを掛け直し、
赤くなった鼻をひくつかせて、静かに呼吸を整える。
気持ちが安定した先輩と、俺は、見つめ合った。
俺は、先輩の心にいる飛鳥さんを見るように。
先輩は、俺のさっきの言葉に飛鳥さんを重ねるように。
飛鳥、マキの言う通りなの?
涙の流れる目を動かし、先輩は問うように写真を見る。
問われた飛鳥さんの写真は笑っていた。
俺と先輩を見て、にっこりと。
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