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  [ 風のように遥かに 37 ]
2010-08-28(Sat) 05:25:32
「マジ?いつから?」
「高校入学の時からって言ってたよ」
マキの好きな人って僕です、
という言葉を最後にミナミ先輩は沈黙した。
それに耐えられず、リュウ先輩がなりそめを暴露したという。

リュウ先輩とタツ先輩は、学区が異なり小中は別だった。
だけど、所属していたサッカーチームが一緒で、
お互いライバル視しながらも、いつも仲良く練習していた。

高校は、タツ先輩は和賀高ではなく、
もっとレベルの高い学校を選んでいたらしい。
だけど、受験当日、インフルエンザ勃発で受験できなくて、
2次で和賀高を受験し、ここへきたみたいだ。

同じ高校になったとリュウ先輩は喜び、
そこでようやく恋心に気付いたとのことで、
入学式当日、タツ先輩に告白した。

これから俺と付き合ってほしい、と。

タツ先輩は文字通り、ちゃんと付き合った。

クラスは違えどトイレへいく時や、
登下校、職員室、昼食時、部活後の自主練も。

ようするに、リュウ先輩のは告白ではなく、
どこへいくにも付き合ってほしい、
というニュアンスで受理したらしいタツ先輩。

現状打破にはやはり意思疎通しなければ、と思い、
リュウ先輩はタツ先輩のことを、
例のいつものファーストフードに呼びつけた。

そこで気持ちを説明すると、
逆にタツ先輩に説教を食らった、リュウ先輩。

そんなことは始めに言うべきだろう。
これから俺と付き合ってほしい、
というだけでは俺もそこまで判るはずがない、と。

結局、タツ先輩は恋心に困惑した。
しかし、約束した以上、責任を取るのが筋合いと思い、
リュウ先輩の恋人として、タツ先輩は交際を開始した。

そして喜びのあまり、タツ先輩に説教された、
ということを周りに喋りまくったのが、リュウ先輩であり、
それが説教タイムの根源である、というオチまであった。

「タツ先輩、恋愛経験が皆無だって‥」
「自分から好きになったことがないって意味だと思うよ」
「リュウ先輩、そういう経験ないからって‥」
「判ってると思うけど、リュウ先輩の持論ってさ、
 難しいことは考えないで動いてしまえ、じゃない。
 悩んだことなんてないに等しいんじゃないかな」

そういうことですか、両先輩。

「時継さん、それにしても思い切ったことするね。
 2人に俺のことを言っちゃうなんて」
「僕がどれだけマネージャーやってると思ってんの。
 2人の行動や仕草で、それくらい判るから」

それに学校内に男同士や女同士のカップルいるし、
と補足する先輩。

先輩は、俺が手にしていた携帯を取り上げると、
ぱちんと折り畳みながら、にこりと笑った。
「さてと。それじゃあお墓参りにいく支度しようか」

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次回が風遥の最終話です(/´Д`)/
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