BLUE BIND
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ その雪景色窓辺より 11 ]
2010-09-17(Fri) 16:20:34
3月の早春。
「はあ‥」
「ったく、どんだけ溜め息つくんだよ」
デスクに頬杖をつき、モニター前で呆れているのは、
仕事の上司の、ノブさん。
黄島伸靖、信頼のおける人物である。
座ったオフィスチェアで回りながら、
うざがられるほど俺は溜め息ばかりついていた。
2月からずっとこんな調子でいるもんだから、
ノブさんもうざいと言ってくるはずである。
「だってさあ‥」
「そいつのこと、諦めたって言ってただろ」
「うん‥」
「諦めてパトロール行けっての」
ここは、管制室。
俺は警備会社に勤め、夜間パトロールの部署にいる。
もちろん役職なんかないぺーぺー社員だ。
ノブさんは管制室長という管理職についている。
会議だの出張だの、現場を離れた仕事が多いのに、
ノブさんは時間があれば管制にきていた。
ホワイトボードに記されたスケジュールで、
管制にノブさんがいるかどうかを確認し、
申し送り後、こうして愚痴るのが恒例となっている。
ノブさんは40歳で妻子持ちのバイであり、
俺がゲイだと知っている。
だからこそ、カズのことを打ち明けられた。
それに、ノブさんは兄貴みたいなもんで、
兄のいない俺はついつい頼ってしまう節があるのだ。
「そうだ、ヒロ」
「何?」
「来月、新人入ってくるから教育頼むな」
パト隊員の後輩が、父親が倒れて家業を継ぐらしく、
今月で退職するとすでに本人に挨拶されていた。
どうやら和菓子屋らしくて、
製菓の学校にしばらく本人も通学していたとか。
手に職、というものが羨ましくなったっけ。
俺は、始めはアルバイトでパトに入った。
20歳でパトして2年後、22歳で大学を卒業し、
そのまま新卒採用してもらって、正社員歴6年。
もちろん手に職なんかなく、仕事して貯金して、
それなりに遊んでいるだけの、平凡な人生だ。
ちなみに先輩は数名いるけど、
アルバイト含め現場研修を任されていた。
ノブさん曰く、研修を俺がすると退職率が低いらしい。
「新人、やっと決まったって」
「俺の好み?もうデータ回ってきた?」
俺は思わず身を乗りだした。
「決まったって聞いただけで、データはまだ。
それにヒロの好みなわけないだろ。
面接はパトの隊長と、いつも通りセンター長だからな、
せいぜいセンター長好みだろうよ」
にししと楽しそうに笑うノブさん。
俺は見せつけるようにがっくりと頭を下げた。
センター長好みの新人なんて、こっちから願い下げしたい。
アルバイトから正社員にしてもらって感謝はしてるけど、
俺、あんまりセンター長好きじゃないんだよな。
「いつくるの?1週間前?」
「新人はどうやら3月末まで仕事あるみたいで、
きっちり4月からだってさ」
「そっか。それなら送別会と歓迎会は別々になるか」
どこの飲み屋でやろうかな、と。
帰宅してからパソコンで調査しておこう。
3月だからさっさと予約もしないとな。
「ヒロって、そういうとこマメだよな」
「寂しい独身の唯一の楽しみ、って言ってもらえる?」
言うとノブさんは笑った。
ノブさん以外の管制員も爆笑している。
つられて俺も笑った。
俺はとっくに1人でいることに慣れている。
恋人なんて、作ろうと思っても作れないし、
現状をとことん満喫する、がモットーだ。
ノブさんもいるし、友人もいるから退屈はしない。
時々、夜がちょっぴり寂しいなるくらいか。
だからこそ、この夜の仕事を選んだ。
俺にぴったりの仕事だと自分では思っている。
「じゃあ、そろそろ行こうかな」
イスから立ち上がると、ノブさんは笑みを浮かべて、
モニターの目を俺にむけた。
「おう。いってこい」
「はいよ」
開けていた警備服の一番上のボタンを閉め、
警棒をベルトに装備し、パト用のヘルメットを被って、
夜間のパトロールに出発した。
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