BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ その雪景色窓辺より 24(R18) ]
2010-09-30(Thu) 04:50:32
カズは、どんな顔で聞いたんだろう。
見える背が、少しだけ震えている気がする。
そんなこと聞かれたら、俺はもう止まらない。

後から抱き締めると、やっぱり背が震えていた。
怯えているのか、怖がっているのか、
判らない震えを静めるように、ぎゅっと腕に力を入れる。

「あるよ」
耳元で、小さく呟いた。

このまま離したくない。
カズになら何だってできるし何だってしたい。

耳の裏から甘い香りがした。
甘いけど爽やかで、カズらしい香りだった。
たぶん香水だろう。

「僕もある」
「じゃあ、しようか」

カズは頷いて、目を潤ませながら俺を見る。
そして、頬を赤くしたままがばっと覆い被さってきた。
「僕、ヒロに挿れたい」

何かを決意した顔だった。
その顔にイヤとは言えず、すっと息を吸い込んで、
俺はにこりと笑った。

「ん、して」
「いいの?」
「男に二言は無いし」

もちろん俺は後を使ったことはない。
痛いだろうしもちろん怖さもあったけどけど、
それでも構わないと思った。

カズと繋がれる、ただそれだけでいい。

首に腕を回し、深くキスを交わす。
すると、カズが俺を抱き締めてくれた。

過去これまでに3度もしているのに、
こうやってお互い裸で正面で抱き合ったのは、
これが始めてだった。
カズの肌の温もりを、肌で味わうために目を閉じる。

ずっと欲しかった熱。

ずっと望んでいた肌。

心はなくてもいい、感じることができれば。

手の届かない胸の奥が、痛くて苦しくて切なくて、
なぜだか涙がじわりと滲んできた。
今まで誰と寝ても、こんなことなかったのに。

愛しいって、こういうことなのか。

しばらくして、口を綻ばせたカズが俺を見た。
「痛くないように優しくやるから」
「宜しくお願いします」

滲む涙をごまかすために目を細め、
にっと笑ってみせるとカズも笑った。

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目次ではヒロ×カズ表記ですが、
元々リバ設定なので、まずはカズ攻めになります。
このままお付き合い下さると幸いです‥(>_<)
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