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  [ その雪景色窓辺より 25(R18) ]
2010-10-01(Fri) 04:10:19
ローションの代わり何かないかな、とカズに聞かれて、
購入してからほとんど使用していないメンズの乳液を、
クローゼットの奥から出してきた。
ノブさんに勧められて買ってみたものの、
べたつくだけで潤いも何もあったもんじゃなく、
結局、クローゼットの奥で眠りについたものだ。

ローションを常備しなくなって何年にもなる。
その日限りの相手とは、ホテルでセックスしていた。
そうすればお互い素性は判らないままだし、
ホテルには常にゴムもローションも置いてあるから、
残量だの補充だの、そういうのを気にしなくて済む。

ロフトに戻ったら、缶ビール2つ缶カクテル1つ、
カズはもう飲み干していた。
その体のどこにそれだけ入るんだか。

それにしても、と俺はちょっと訊ねてみた。
「カズ、ローション使ったことある?」
「あるようなないような、かな」

上手くはぐらかされてしまって残念だけど、
こんなのは男でも女でも使うもんな。
それに、何をどう聞いても、カズの過去はそのままだ。
俺にもそれは同じことが言えるし。

「ヒロこそどうなの?」
「いや、ないよ」
俺自身は未使用だ。
一晩の相手は、解すために使ってたけど。

とろり、と垂れ落ちる乳液で手を濡らすと、
カズが俺の後を解すのに、中指あたりを挿入してきた。
狭い入口が開き、カズの指を迎え入れる。

「あ、く‥っ!」
痛さよりも圧迫感のが強かった。
指が進むにつれて空気が送り込まれるような、
そんな不思議な感覚がした。

「大丈夫?」
「ん‥たぶん‥っ」

やっぱりムリみたい、なんて言えない。
どうにか気を紛らわそうとカズの腕を掴んでいると、
俺の表情で察し、カズはあちこちにキスしてくれた。

耳、瞼、首、皮膚の薄い部分を舐め、
上顎をくるりと舌先でなぞる、というおまけつき。
中で蠢いている指に耐えつつも、
口腔の熱さにぞくぞくと鳥肌が立った。

カズは慣れていない手つきで、
中にあるスイッチでも探すかのように、上下左右、
すりすりと指の腹で擦り続けていた。
同時に、指の根で、ぐいっと窪みを広げてくる。

「ここに指2本入ったよ」
「ん‥中からすごい伝わってくる‥」
「きつい、よね?」
「まあ、きついけど‥くっ‥うっ、
 はあっ‥はあっ‥こんなもんだろうな、きっと」

息を吸う度、何か言う度、腰を襲う鈍い痛み。
今までやってきた男は、これでよがってたんだから、
俺だってもうちょっと慣れたらよがれるはずだ、
と信じてこれを耐えるしかない。

カズは指を引き抜くと、乳液を萎えた自身に垂らし、
ゆるゆると軽く扱いてから、俺の足をぐいっと持ち上げた。
そして、憤らせた先端を入口へ当てる。

あ、ローションだけじゃなくて、ゴムも置いてない、
とぼんやり頭に浮かんだ。

挿入を生のままでして気持ち悪くないだろうか。
まあ、ゴムするより生のがいいのは誰でもそうだけど、
それ以前に生理的な意味で。

カズは俺の心配も知らずに、ゆっくり腰を進めてきた。

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いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。
最近ちょっぴりへこみ気味だったのですが、
拍手数やカウンターの回転数に、
とってもとっても癒されております(´;д;`)
本当にブログで小説やってよかった。
居場所のひとつとしてここにいていいんだって勇気付けられます。
なかなか精進しない文面ではありますが(致命的)
マイペースで、ちまちまと頑張ります。
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