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  [ その雪景色窓辺より 28(R18) ]
2010-10-04(Mon) 11:35:59
いつもは、気持ちよさが腰のみに集中している。
だけど、今は違う。
快感が体中に、それこそ末端の細胞にまで、
じんわりと走り抜けていた。
「ん‥んう‥ああっ、カズ、はあっ‥!」
俺の少ないキャパシティで受け止めねばならず、
余裕なんて皆無だった。

目は、開いてるんだか閉じてるんだか、
視界が滲んでいるような暗闇が見えているような、
俺にもよく判らない。
時々、涙を拭うカズの指を感じるくらいだ。

「うう、も‥うあ‥出るっ」
せり上がるものを出したくて、俺の腰が淫らに揺れる。
揺れるのが判るだけで、それは無意識だった。

すると、カズの動きが早まった。
「ヒロ、はあっ、僕も出そ‥」

カズのイク顔を見たくなって、涙を拭って目を開ける。
力を振り絞ってカズの髪を掻き上げると、
気持ちよさに恍惚としながらも、
俺のために動いている、逞しいカズの顔があった。
もう、それだけで充分だった。

「カズ、ああう‥あっ‥イク‥!」
自分の手に精液が迸る。
俺の中がカズを締め付けたのが、腰から伝わった。
それがよかったのか、腰を抜いて精を吐くカズ。

「はっ、はあ‥はあ‥ヒロ、大丈夫?」
「うん‥初めてだったけど良かったみたい‥」
ほら、と手についた液体を見せると、カズは笑った。

「カズは?大丈夫?」
「うん」
息を整えながらカズは頬を緩める。

ティッシュで体と手を拭ってくれたカズは、
ごろんと俺の隣に寝そべった。
よく見ると、体のあちこちが汗でべたついている。

「ヒロの汗すごい」
「カズもね」
「シャワー浴びようよ」

カズの誘いに、俺は首をふるっと横に振った。
「悪いけど俺はパス。ロフトを降りる力がないや。
 カズだけシャワーいってきて。
 服でも何でもあるもの好きに使っていいから」
「え、でも‥」

僕だけシャワー浴びるなんて悪いしできないよ、
という顔のカズに俺はキスをした。
これまで何度もキスをしている俺達だけど、
唇に触れるだけのキスになぜか俺は赤くなった。

「いいから。いってきて」
「‥うん」
カズがロフトを降りてしばらくしてから、
シャワーを使う水音が聞こえてくる。

それを傾聴しながら決意をした。

明日、起きてから好きだと伝えようと。

どうやって言おうかとぼんやり考えていたら、
俺は重たくなった瞼を閉じていた。

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