BLUE BIND
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水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 傷痕は誰が為の 4 ]
2010-10-24(Sun) 05:30:42
終了後、シャワーを浴びている時。
ヒロの耳の上が赤く腫れていて、思わず触った。
「ヒロ、ここ蚊に刺された?」
「それ古傷」
5年前、ブランド専門ショップを巡回していたら、
侵入者と遭遇し、相手が持っていた道具で傷つけられた、
とヒロは恥ずかしそうに言った。
道具という部分を、ヒロがやけに濁している。
気になって何度も訊ねると、とうとう白状してくれた。
「ん、ノコギリ」
たはは、と恥ずかしそうに笑うヒロ。
思わず僕は、ぞっとした。
恐らく僕が驚くと、ヒロなりに見越していた。
濁していたのは優しさだった、と今頃になって気付く。
たぶん、襲撃にあったのはヒロにとっての失態で、
言うことそのものが恥だったのかもしれない。
「まあ、そんなこと滅多にないから平気だって」
「頻繁にあったら命足りないよ」
鳥肌が立っている僕の全身を、ヒロが洗っていく。
ちなみに、ヒロの体はさっき僕がきちんと洗った。
「そりゃそうだけど、これは稀な例だって。
ノブさんに指示仰げば大丈夫だから。
発報後に現場へいったら侵入者と遭遇しちまって、
連絡すらできないで襲撃されちまったけど、
そんなことは滅多にないっての」
当事者にだけしか現実味はないだろうけど、
ヒロは何でもないように語った。
そして、犯人は無事に逮捕され、
取調べだの裁判だの、襲撃よりもそっちが面倒だったと、
かったるそうに付け加えたヒロ。
「それにしても、よくそれで退職しなかったね。
僕だったらすぐ辞めちゃいそう」
「俺、こんなことぐらいしかできないから。
手に職あるわけじゃないし取り柄もないし」
ヒロは僕の体を洗う手を止めて、悲しそうに笑った。
「ところで、カズは前の仕事は何してた?」
「システムエンジニアだよ」
「へえ、いかにも手に職っぽいな。
辞めてもったいないって思わなかったか?」
僕はヒロを睨んで、その手からスポンジを奪った。
「え、何?」
「手に職があったって長く続かなかったり、
その人にそれが合うとも限らない。
それに、そういう出来事があったのに、
退職しなかったヒロのことすごいって尊敬してんの」
ヒロから目を逸らして、僕は体を洗う。
手に職だとか取り得だとか、そんなの関係ない。
そんなことに拘っているヒロに洗ってもらっても、
嬉しくも何ともない。
ヒロは段々と萎縮して、やがて僕に頭を下げた。
「‥ごめん」
「こんなことしかできない、なんて自分にも失礼だよ。
世の中にはできない人も居るんだからね」
「うん、そうだよな。カズの言う通りだ」
ヒロは恥ずかしそうに笑った。
少しでいいから自分に自信を持てばいいんだ。
ヒロの髪をわしゃわしゃに乱してやる。
「次にそういうこと言ったら、この髪刈るから」
「絶対にマジで二度と、もう言わない」
ヒロは僕に抱き付いていやいやと首を横に振った。
ヒロの坊主を想像しながら、
あははと大笑いして、ヒロの頭を手櫛で整える。
ヒロと目が合って更に笑った。
この時はまだ、あんなことが起きるなんて、
僕もヒロも知る由はなかった。
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