BLUE BIND
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僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
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青い空を見上げて3rd (70)
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蒼空と流星の狭間 (30)
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と思ってリンクを繋ぎました。
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 傷痕は誰が為の 5 ]
2010-10-27(Wed) 05:50:27
「青柳!青柳!」
店舗巡回終了後、無線で管制へ報告中に、
突然、黄島さんの大声がした。
「ヒロが侵入者と遭遇した!」
その言葉に、僕はぽろっと無線のマイクを落とした。
ウソかジョークだと思いたかったけど、
黄島さんの切羽詰まった声色に、そうだとは思えなかった。
体中の血液が、すうっと冷たくなっていくのを感じる。
「青柳!聞いてるのか!」
「は‥はい‥」
足に落ちたマイクを拾い上げ、慌てて返事を返した。
「隊長は出張で、こっちに呼び戻せない。
管制も侵入者の対応で、今どうしても動けないんだ。
それに、ヒロからパトカー要請の報告があってから、
直にヒロとのコンタクトが取れなくなっている。
ヒロと青柳のコースは、別センターにヘルプを頼むから、
青柳は隊長の代理で、ヒロの現場に急行してくれ」
黄島さんらしからぬ早口で、そう僕に告げる。
「わ‥判りました‥」
僕は震えた声で答えた。
それが荒い無線の電波で伝わり、黄島さんは一言、
こう付け加えた。
「ヒロなら殺しても死なない。大丈夫だ」
そして、現場名を言うと無線が切れた。
現場はここから程近い、和賀塚高等学校。
僕はアクセルを踏み、法律なんか無視した速度で、
急いで現場に向かった。
アクセルを踏む足に血の気はないし、
じわりと目に涙が滲んできた。
だけど、ヒロに何があったのかを知るには、
今は泣くよりもとにかく踏ん張るしかない。
僕はヒロの無事を祈りながら、ぐっと心を奮い立たせる。
和賀高の職員用の駐車場傍に、パトカー3台、
消防車1台、それから野次馬がいた。
どの車も赤色灯が回り、辺り一面が赤い。
車を停め、傍にいる警官に事情を伝えると、
ヒロがどこにいるか教えてもらうことができた。
侵入者に襲撃されたらしく救急車で搬送されたとのこと。
場所は、ここから10分くらいの総合病院だ。
それを黄島さんに報告すると直行するよう指示された。
報告中、改めて周囲を見ると、
ヒロのパトロール車に鑑識班が印をつけていた。
そこら辺に落ちている、ガラスや石やごみにまで、
チョークで丸く囲んでいる。
ドラマのような光景を眼前にしてみて、
ここが事件現場なのだと、改めて思わされた。
病院に到着し、白板に赤字が光る夜間の入口を潜る。
すぐそこに夜間用受付カウンターがあり、
中にいる人にヒロがどこに運ばれたのか訊ねたら、
たった今運ばれてきて、2階にある第一手術室に搬送された、
と言われた。
カウンター傍にあるエレベーターで上がって、
すぐ右を曲がり、廊下の突き当りを左に曲がると、
薄暗い廊下を走るストレッチャーを捉えることができた。
手術着の看護師1人と制服姿の看護師1人が、
ストレッチャーを猛スピードで押している。
ちょっとだけでいい、ヒロの顔を見たい。
僕は、その思いだけで走った。
しかし、距離があったせいか鈍足だったせいか、
ストレッチャーは目の前の手術室に吸い込まれてしまった。
手術中、という扉上のランプが点灯する。
手術着の看護師は、そのまま手術室へいったけど、
制服姿の看護師は、こちらに踵を返した。
捕まえて容態を訊ねると、骨折と打撲、
そして内臓破裂もあり、これからオペをするとのこと。
早口で伝えて看護師は去っていく。
ランプを見上げながら、その場にへたりと座った。
真っ白になった頭に浮かんだのは、ヒロの笑顔だった。
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