BLUE BIND
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水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 傷痕は誰が為の 6 ]
2010-10-29(Fri) 08:30:21
「あれ、カズ?」
廊下を見つめていると頭上で声がした。
がばっと見上げると、ヒロがいた。
右腕に、少しだけ包帯が巻かれてある。
僕はとうとう霊感を得たらしい。
ヒロは幽霊になって、わざわざ僕に逢いにきた。
つうっと涙が頬を伝っていく。
不思議と泣き声は出なくて涙が頬を流れるだけ。
人は悲しすぎると声も出ないのか、と思った。
ヒロはそんな僕に驚いていた。
そんなヒロを上から下まで眺めると、
足がちゃんと付いている。
そう言えば、さっき声も聞こえていた。
最近の幽霊は、どうやらスペックがいいらしい。
幽霊でも怪物でも、もうどうでもいい。
ヒロがこうしてきてくれただけで、本望だ。
「カズ?どうした?」
ぽんと肩を叩かれた。
幽霊の手はどうやら人間に触れるみたいだ。
こっちからヒロに触ることはできるのか。
そっと手を伸ばして腕を掴むと、ヒロは顔を歪めた。
「あたたた!そこ包帯だから!」
ここで、幽霊ではないと気付いた。
途端、何がなにやら判らなくなった。
「さっきストレッチャーが、内臓破裂の打撲骨折で、
看護師さんのヒロが幽霊に‥」
「パニックになりすぎだって、カズしっかり」
何をどうしっかりしたらいいのかすら判らない。
頭が真っ白で、答えが浮かばない。
すると、ヒロがキスをしてきた。
温もりのあるヒロの優しいキスだった。
「どう?ちょっとは落ち着いた?」
ヒロが屈み込んで顔を覗いてくる。
頷いてみせるとヒロはにかっと笑った。
「ならよかった」
「よくないよ。ヒロが怪我してる」
「かすり傷だから」
ヒロは腕を撫でた。
「それに、黄島さんがヒロの携帯繋がらないって」
「踏んでぶっ壊した、俺」
困り顔でぽりぽりと頭を掻くヒロ。
「さっきのストレッチャーは?誰?」
「ん?ああ、事故かなんかの患者かも。
包帯してくれた看護師さんに内線かかってきて、
確かそう言ってた気がする」
「‥ヒロはどこにいたの?」
「そこ。手術室の隣の処置室」
見ると、確かに処置室の扉があった。
「あとはもう聞くことない?」
「‥ヒロ‥生きてて良かった」
「殺されても死なないって」
黄島さんと同じような台詞。
ここでようやく、ヒロの無事を報告しないと、
と思って駐車場へ急いで、無線から連絡した。
「ったく、ふざけんなよヒロ」
これが黄島さんの第一声だった。
ほうっと力が抜けたのが、荒い無線で伝わる。
それから、黄島さんは言いたい放題だったけど、
言い疲れたのか言い尽くしたのか、
はあっと溜め息をついて、ようやく話を切り替えた。
「そろそろ任意同行しろって、そこに警察がくるな。
青柳はそのままヒロと一緒にいってくれ」
「はい」
ヒロの横からマイクへ言った。
「とりあえず取り調べ終わったら、また連絡くれ」
「ノブさんも、連絡があればカズの携帯によろしく」
車の無線機を切り、院内に戻ると刑事が立っていた。
バッジを翳しながら、面倒そうに一礼すると、
「これから任意同行願います」
と、強引そうな声色で、僕とヒロにそう告げた。
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