BLUE BIND
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 傷痕は誰が為の 7 ]
2010-10-30(Sat) 05:50:57
警察署の前の駐車場に、パト車を停める。
隣に停まったパトカーから降り立つ、2人の刑事。
そのあとをついていき、エレベーターで3階へといくと、
近くの扉へと促された。
そこは取調室ではなく会議室だった。
室内は、女性の警察官と刑事、それと少年がいた。
その刑事と交代して、僕達とここへ一緒にやってきた、
刑事1と刑事2が中へ入る。
どうぞと言われてソファへと座り、俯いた少年と並んだ。
「まずは名前の確認します。
サトウセキュリティの赤石紘人さん、青柳一葉さん」
「はあ」
ヒロは小馬鹿にしたような生返事をした。
「和賀塚高等学校3年2組、仲村郁央君」
仲村と名を呼ばれた少年は口を閉ざしたまま、
じっと床に視線を落としていた。
たぶん、仲村君とやらが加害者なのだろう。
笑ったら可愛と思われる、明朗そうな少年。
誰かに危害を加える、なんて、
ヒロには悪いけどとてもしそうには見えなかった。
「まず、こちらの見解を報告します。宜しいですね?」
「どうぞどうぞ」
再度ヒロはバカにしたような返事をした。
宜しくないって言ったってどうせ言うんだろうが、
とでも言いたげな感じだった。
こんな態度のヒロ、初めて見る。
ヒロを少し睨みながら、刑事2がごほんと咳払いする。
そして、感情のない声色で、メモ帳を読み始めた。
1時16分、和賀塚高等学校の発報確認。
サトウセキュリティより赤石さんに連絡入る。
同32分、赤石さん到着。
同43分、会議室の窓ガラスが割れているのを発見。
同45分、赤石さんがサトウセキュリティへ報告。
ここで、刑事2は水分を補給し、喉を潤してまた読み出した。
同46分、サトウセキュリティサービスより110番。
同47分、職員用駐車場で赤石さんが仲村君のことを発見。
声をかけた際、ガラスで腕を切りつけられる。
同53分、現場へ到着した署員が、仲村君を拘束。
同58分、署員が手配した救急車で、赤石さんが搬送される。
「以上ですが相違ありませんね?」
刑事1と刑事2が、じろりと僕とヒロを見た。
この言い方だと、間違っていても同意したまえ、
と脅しているように聞こえる。
怪我はやっぱり仲村君によるものだった。
でも、そんなことしそうには、どうしても見えない。
と思っていると胸ポケットのボールペンを弄びながら、
ヒロが笑って言った。
「それ全然違います」
刑事1と刑事2と少年、そして僕までもが驚いた。
やがて、鋭い刑事2の目が、僕とヒロを睨んでくる。
僕は怖くてわざと目を逸らしていた。
すると、ヒロはそれに怯むことなく笑った。
「だから、違いますって言ってるんですよ。
刑事さんって耳遠いんですか?」
まるで、警察そのものを毛嫌いしているような口調。
バカにされ、刑事2の顔つきが瞬時に怒った。
リアルに般若が存在すれば、こういう顔なんだと思う。
「ちなみに、それって誰が言いました?」
「仲村君の証言だ」
「へえ。それなら今時の高校生の記憶力は最低ですね」
しきりに胸ポケットのボールペンを弄るヒロ。
「では、赤石さんの意見をどうぞ」
若気の至りか刑事2が迫るも、刑事1がそれを静止し、
肝の据わったベテランらしい声で言った。
「時間はあやふやなんで割合しますけど、
これは俺がこけてできた傷ですよ。
派手にこけたから心配してコイツがきた、
ただそれだけです。ちなみに転び方はこうです」
ヒロは、芸人がコントでするような転倒をしてみせる。
刑事1と刑事2は、ヒロの転倒に唖然とした。
それを気にせず、僕はぷっと吹いた。
僕と仲村君の視線が合い、声を殺しながら笑い合う。
般若の刑事2が、赤い顔で刑事1の前に出た。
「ふざけるな。そんなふうに転べるわけがない。
コイツを庇ってんのか。そんな必要ないだろう。
いい加減に正直に白状しろ!」
会議室内が、ぴんと張り詰める。
それを打ち破ったのも、ヒロだった。
「アンタに俺の行動を決める権利はない」
間近の刑事2を、ヒロは睨んだ。
真っ直ぐ、目の奥までじっと覗き込むような、
そんな鋭さを持った目つき。
ぞくりと僕の全身に鳥肌が立った。
やがて、にこりと笑ってヒロは言った。
「何をどう聞かれても答えは同じですよ。
あ、それとも、ガラスで怪我したんだから、
そのガラスに被害届出せばいいっすか?」
刑事1は、参ったと言いたげに息をつく。
一方で刑事2は、更にヒロに迫った。
赤鬼とでもニックネームがつけられそうな面持ちだ。
というか、怒ってもそんなにヒロに迫らないでほしい。
「そんなこと言っていられるのも今だけだ。
指紋が出たらその証言は覆される」
「学校の生徒だったら進路相談や掃除の当番とかで、
会議室なんていくらでも出入りしますって。
俺もこの前、月報書くのに使用しましたしね」
そう言ってからヒロはボールペンを指した。
「あ、ここでの会話録音してますから。
ボールペン型のボイスレコーダーって知ってます?」
その場の全員が絶句した。
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