BLUE BIND
BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
+ プロフィール
Author:水色
(↑看板息子悶えver)
妄想好きな腐女子です。
宜しくお願いします。
+ 更新履歴
決めたゴールを走れ2nd 23 (08/22)
決めたゴールを走れ2nd 22 (07/11)
決めたゴールを走れ2nd 21 (06/11)
決めたゴールを走れ2nd 20 (04/27)
決めたゴールを走れ2nd 19 (04/06)
+ 目次一覧
初めにお読みください (1)
青い空を見上げて (31)
僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
星が刻んだ未来さえ (69)
その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
僕達の学園祭 (8)
蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
銀の翼が恋を知る (41)
そして水の言葉は生まれる (10)
雨上がりの最果てで (58)
雨の屋根の下 (7)
君とは幸せになれない (78)
全てを任せてキスをする (8)
星が刻んだ未来さえ2nd (43)
決めたゴールを走れ2nd (24)
笹崎侑津弥の恋愛相談室 (9)
作者の独り言 (32)
企画・記念・戯絵 (5)
同人誌情報 (7)
+ コメント
水色:星が刻んだ未来さえ2nd 5 (10/27)
水色:君とは幸せになれない 72(R18) (11/05)
水色:作者の独り言 31(ご報告) (08/09)
水色:作者の独り言 31(ご報告) (08/09)
水色:J庭参加情報 (03/03)
水色:雨上がりの最果てで 2 (12/04)
risaki:雨上がりの最果てで 2 (12/04)
+ ランキング
応援ありがとうございますm(_ _)m
+ pixiv
最終更新2013.6.2
+ リンク
【がっつりBL的。】様
【fxd】様
【GA-CHI】様
BLUEBINDのリンク
BLUEBINDのメモ
管理画面
+ カウンター
+ We can do it※not BL
非BLエリアです。
私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 傷痕は誰が為の 10 ]
2010-11-05(Fri) 03:55:37
翌日、仲村君に会うためにヒロと和賀高の前にいた。
「昨日の今日で、休んでると思うよ」
「いや、こんな状況だからこそたぶん登校してる」
たぶんと言いつつ、ヒロは自信たっぷりに断言すると、
事件が起きればどこからともなく生徒に広まるし、
それで欠席なんかしたら目立つから、とヒロは付け足した。
言われてみれば確かに、とヒロの言葉に感心しながら、
門から少しばかり離れて待っていると、
ようやく下校の仲村君と出会うことができた。
1人歩いていた仲村君は、僕達を見るなり瞳孔を広げる。
そして、逃げるどころかこちらに近づいてきた。
吊り目を更に吊り上げ、僕達をかなり警戒している。
ヒロがその肩を軽く叩いた。
「これからお茶でもしようぜ」
今時のナンパでも言わないような台詞に、
仲村君は同意し、駅近くのファミレスへと入店した。
ヒロはマロンパフェ、僕はあんみつとお茶、
オーソドックスに仲村君はコーヒーを注文する。
運ばれてきたものがテーブルにずらりと並ぶと、
仲村君が、呆れたように呟いた。
「あんたら、本当に大人?」
パフェに飛びついてヒロが答える。
「コンビニでエロ本買えるから一応そうみたいだな。
だけど、無駄に歳だけ取った子供かも」
「僕も、大人なのは年齢だけかな」
「それにさ、ここのパフェ美味いんだよな。
秋なら栗が旬だし。カズ一口食えば?」
ヒロに借りたスプーンでマロンクリームを掬った。
「本当だ、すごく美味しいね」
僕達のやりとりに苛立ったらしい仲村君が、
コーヒーカップを勢いよくソーサーに乗せる。
かちゃん、と陶器同士の突き当たる音が響いた。
「で、何?」
ヒロはスプーンの動きを止めることなく、
仲村君をちらりと見上げる。
そのヒロは、パフェ下にあるフレークを食べていた。
「何って何だよ?」
「だから、俺をここに呼んで何したいわけ?
パフェの美味さを実況するため、じゃないだろ」
「ん、まあな。ちょっと話してみたかったから呼んだ」
「俺はあんたらに話すことなんかない」
ヒロは急に怪我した部分を押さえて、
顔を歪めながらパフェスプーン床へ落とした。
びくっと震えて青くなる、仲村君。
「いてて、スプーン持てないくらい痛い」
仲村君はヒロの台詞で、びびって損したと言うように、
目を細めながら溜め息をついた。
なぜなら、マロンパフェの器は空になっていたからだ。
「ちぇ。それで何を話すって?」
「何がしたくて学校に入ったんだよ?」
指に跳ねた髪を絡めて、無言になった仲村君は、
ヒロから目を逸らすと、窓の外をじっと眺め始めた。
話す気は無い、ということだ。
仲村君の態度に、ヒロは怒るどころか笑った。
「俺も昔、同じように学校に入ったことあるぜ」
突然の衝撃的な暴露に、
「え?何で?」
と、僕と仲村君の声が、ぴったりとハモる。
僕達の同調に、ヒロはにやりとした。
「昔は、今みたいなセンサーなんか置かれてなくてさ、
常駐してるおっさんが警備してたんだけど、
おっさんに見つからないように入れるのか、てな。
カズは?したことない?」
「そんなのしたことないし、やろうとも思わなかったよ。
高校時代は弓道一筋で、帰ったら疲れて寝てたし」
「ああ、前にそんなこと言ってたっけ」
ここで、再びカップとソーサーのぶつかる音がした。
拗ねたように唇を尖らせながら、
仲村君が僕とヒロに横槍を入れたのだ。
ヒロはその顔を見つめながら、イスに深く座り直した。
「何をヤケになってるか知らんけどさ、
学校なんかに侵入したって面白くないだろ」
「あんたになんか言われたくない」
「あんたじゃない。赤石紘人だ」
疲れきった顔になる、仲村君。
そんな仲村君に微笑みながら、ヒロは突然言った。
「好きな人いるだろ、同性の」
ぴく、と仲村君の眉が動く。
仲村君は、これまで以上にヒロを警戒していた。
僕も、口にこそしなかったけど気がついていた。
どうしてか、と訊ねられても明確な返答は返せないけど、
何となくというか同じような匂いがするというか、
シックスセンスが働いたとしか言いようがない。
だけど、これがおかしなことに、ヒロにはなかった。
常にシックスセンスが動くわけでもないらしく、
それでもヒロを好きになってしまった僕は、
性癖を探るようなことを何度も続けてしまったけど。
「判るんだよ俺は。この意味判るか?」
仲村君は、真顔のまま返答しない。
ヒロはそれを見越していたような笑顔だった。
「俺もそうだから判るって言ってんだよ。
同じだから判る。ただそれだけだ」
仲村君はヒロの言葉に、険しい顔をした。
半開きだった口元が、への字に結ばれる。
ようやくヒロの動きが見えてきた。
仲村君の、どこにも吐けないその苦しみを、
ヒロはきっと受け止めようとしている。
「で、誰?」
「え?」
「好きな人って誰だよ?
聞いても判らないけど言うだけ言ってみな」
仲村君の心中で、ヒロへの信頼と警戒が格闘していた。
顔を上げ、名を言おうとして口を開いてみるも、
やはり口を結んで、言いたい気持ちを堪える、を繰り返す。
「じゃあ、俺から言おうか」
店員にコーヒーを注文してから、ヒロは頬杖をついた。
次話へ
前話へ
もしも面白かったら一票お願いしますm(_ _;)m
BL小説
|
傷痕は誰が為の
| TB:× |
CM : 0
|
↑
←
傷痕は誰が為の 9
|
HOME
|
傷痕は誰が為の 11
→
COMMENT
COMMENT POST
:
NAME
:
MAIL
:
URL
:
TITLE
COMMENT
PASS
SECRET
管理者にだけ表示を許可する
HOME
copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
Item + Template by
odaikomachi