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  [ 星が刻んだ未来さえ 18 ]
2010-12-03(Fri) 06:25:03
休みがてらごはんにしようという流れになり、
俺は、挙手しながらこう発言した。
「バイトで臨時収入あったから、俺が奢る」
このメンバーで入る店があるとすれば、
どうせ立ち食いうどんか、ファーストフードくらいだ。
タクシーの釣りを使っても余るに決まってる、
と見当をつけての発言だった。

結構この2人には、救われる時がある。
付かず離れずの、俺達3人。
適切な距離の交友は、俺にとって嬉しいし、
それでも互いを心配して労ってもいる。

晋平と彰彦がいるだけで日常の安心にもなり、
俺はまだここにいていいんだと思える。
こんなこと恥ずかしくて口にしたことないけど、
2人にはマジで感謝していて、
奢るくらいじゃ足りないくらいだ。

「それなら俺パスタ食べたい」
と真似をして挙手したのは晋平だった。
ブランドショップへきたら、
彼女が必ず寄るという店が近くにあるらしい。

俺は、イヤな予感がしたが、
イヤだと発言してもフォローに自信がない。
それに、店なんてあちこちに山ほどある。
それが満さんの店だとも限らない。

晋平の背を見ながら彰彦と喋り歩いていると、
目にしたことのある店名の看板が見えてきてしまった。

オルテンシア、イタリア語であじさいの意。

名刺のロゴと同書体である、満さんの店があった。

「彼女がここのカルボナーラ大好きなんだってさ。
 腹が減りすぎて変な顔になってんぞ、舞斗?」
「本当だ。そこまでお腹が空いてたんだね」
晋平と彰武は、揃って笑った。

「そうかもな、あはは」
んなわけあるか、なんて言えたら楽なのに、
笑ってやりすごした俺。

いや、でも待てよ。
スーパーバイザーと店長を兼用しているんだから、
忙しすぎてたぶん店にいないだろう。
店にいられる時間は少ない、と満さんも言っていた。
そうだ、店にいないに違いない。

緊張が少し解れたところで俺達は店へ入った。
入口すぐにイスとレジカウンターが設置されており、
そこに、満さんが立っていた。

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