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  [ 星が刻んだ未来さえ 40(R18) ]
2011-01-15(Sat) 08:00:32
奥を突かれたまま体が止まった。
俺の中に、満さんのが注がれてくる。
伝わるソレを味わいながら、満さんを見つめた。
髪を乱し、疲れきった顔をしている。

はあはあと息を荒げながら唇を重ねてくると、
満さんは微笑みながら前髪に触れてきた。
それだけで感じてしまい、目を閉じて首を竦める。

「無茶させて、すみませんでした」
会話できるほど回復しておらず、首を横に振る。

「これでドライ分を取り戻せますか?」
充分ですという返事のつもりで、首を縦に振る。

満さんの全身が汗ばんでいた。
それがきらきらしてキレイで、腕を流れる汗を撫でる。
撫でた左手を取られ、その手の甲に唇が落とされた。
そして、そのまま惹かれ合うように、キスをした。

まったりと時間をかけてキスしたせいか、
俺も満さんもようやく息が整ってきた。
からからだった喉も潤ってきている。

今なら言える、バイトを辞めることを。
そう思って、静かに告げた。
「‥俺このバイト辞めるんです」

突然の台詞に、満さんが目が大きくなる。
「え?そうなんですか?」
「はい。2週間後に」

このバイトで俺は自分の価値を確かめられた。
価値は周囲の評価で、決まっていくと思っていた。
もちろんそれも間違いじゃないだろう。
だけど、最後は結局、
自分で決めていくものだという結論に達した。

ここでは体しか求められない。
だけど、満さんは違った。
体だけではなく心までも求めてくれた。

真摯な対応、俺の偏見の無さ、
そして俺を包んでくれる肌の温もりと、笑顔、
満さんの全てが好きになった。

だから、もうバイトはやめる。
それでもすぐに心身は浄化されはしない。
だから、好きですとは伝えない。
満さんのことを困らせたくないし、
両思いでもないのに迷惑をかけたくない。

いつか、どこかで満さんに会うことができて、
元気かだけでも確認できれば満足だ。

好きだとは言わないけど、
できることなら願いだけは口にさせてほしい。
叶うかどうかは別としても。

「満さんさえ良ければ、最後日、
 俺のことを指名して下さいませんか?」
じっと満さんを見つめる。
すると、とても深く唇が重ねられた。

「もちろんです」
「仕事が忙しいのに無茶を言ってすみません」
「あなたという人は気を遣いすぎです。
 私にはもっとワガママ言っていいんですよ」

にこりと笑ってくれた満さん。
笑顔が、あまりにも眩しすぎて、
満さんのことが好きですと言いそうになり、
ぐっと唇を引き締める。

「はい‥ありがとうございます‥」
作った笑顔を見せるのが、精一杯だった。

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