2011-02-12(Sat) 06:40:50
それから風呂へむかった。
例の如く、俺は巻かれた毛布ごと抱き上げられた。 そのまま洗い場で降ろされ、湯を張りながら体を洗われて、 俺も満さんを洗い返す。
張られた風呂へ一緒に入った。
満さんが湯船に凭れて、俺が満さんの体に凭れて、 まったりと過ごした。 さすがに疲れ切ったのか、キスだけされる。 俺からもキスを返すと、えへへと微笑まれた。 体も温まりバスローブでベッドへ戻り寝ることにした。 なぜか、自然に満さんに腕枕を施されながら。 次第に、満さんから寝息が聞こえてくる。 時計は早朝。 始発がある時間だ。 俺は静かに起き上がり、服を着た。 そして、寝ている満さんに、 キスをする。 唇の柔らかさを俺は忘れない。 いや、それだけじゃない。 顔も声も、温もりも優しさも、満さんの全てを、 ずっとずっと忘れはしない。 「‥満さんが死ぬほど好きです。さようなら」 俺はショルダーバッグを肩にかけ、 満さんのマンションを出る。 近くの駅まで行くと、早速ホームに始発がきた。 乗り込む足が重い。 だけど、さっさと家に帰ることにする。 ごみでも入ったのか。 目を擦ると胸が熱くなって涙が溢れた。 次話へ 前話へ お気に召しましたら一票お願いします。 |