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  [ 笹崎侑津弥の恋愛相談室 5-1 ]
2011-03-22(Tue) 04:55:16
受付番号5:井出風音(青い空を見上げて)
※ウツミによる行動描写があります
※少々NLネタにつきご注意下さい
「康太なんか大嫌い!」
井出はダッシュして教室をあとにした。
荒本は、手を伸ばすだけで追い駆けることはなかった。
夏休みの教室に、俺と荒本が残る。

現在は夏休み。
ジョーは美術部の活動のため部室へ顔出しにいった。
1時間で戻るからと伝言を残して。
暇な俺は、ジョーと一緒に学校へついてきた。
40分くらい校内をうろつき、それから教室へきたら、
やばいところに出くわしてしまった。

体を震わせて涙を溜めている、井出。

その姿を見ながらただ肩を落としている、荒本。

2人の修羅場に遭遇し、ただ硬直した。
見なかったことにしてここを出る、
ということが思い浮かばなかったのだ。

すると、井出は荒本に、ビンタした。
乾いた音が、気持ちいいほど反響する。
それから、さっきの台詞があって、
井出はダッシュしてしまい教室をあとにし、今に至る。

「みっともないとこ見せちゃったね、笹崎君」
赤く腫れた頬を擦った、荒本。
ずれたメガネを直しながら悲しそうに笑っていた。

「‥こっちこそ空気読めなくてごめん」
「いいんだよ、そんなの。
 笹崎君がきてもこなくてもこういう結果だったから」

荒本は、カバンを手にした。
「笹崎君って風音と‥あ、井出と結構喋る?」

喋るかそうじゃないかは置いとくとして、
女子の中だったら親しみやすい存在だ、と俺は思う。
言うと荒本は笑った。

「メールで、僕が謝ってたって後で伝えてもらえない?」
「‥そういうのは直接荒本がメールしないと」
「僕のメールは読まれる前に消されるよ、たぶんね」

井出って、そういうキャラだったっけ。
でもきっと2人には事情があるんだろう。

「‥ん、判った」
荒本も困っているしこれくらいなら協力を惜しまない。
快くではないけど頷いておいた。

荒本と井出は、お互いを名前で呼んでいた。
たぶんだけど付き合ってるんだろう。
それなのに俺が介入なんかしたら井出に怒られそうだけど、
その時はその時で、まあしょうがないか。

「じゃあ、僕これからパソ研だから」
と、苦笑いを浮かべながら荒本は行ってしまった。

ぽつん、と誰もいない教室に残されて。

いつもの青い空を眺めながら、
どういうメールを送ろうかとぼんやり考えていた。

次回相談者:井出風音2 前回相談者:仁志天清

拍手を下さったM様、コメントありがとうございました。
返信不要とのことなので、こちらでお礼を申し上げますm(_ _)m


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