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  [ 笹崎侑津弥の恋愛相談室 5-3 ]
2011-03-26(Sat) 05:45:17
受付番号5:井出風音(青い空を見上げて)
※ウツミによる行動描写があります
※少々NLネタにつきご注意下さい
「‥えと、いるような‥いないような‥」
「いるんだよね?いるからそう言ったんだよね?」

さっきまで落ち込んでいたのに、嬉しそうな声だった。
このままだと埒が明かないだろう。
しょうがなく、言えるところまで言うことにした。

「‥一応」
「ほら、やっぱり。クラスにいるの?」
「‥秘密」
「ウッチってばずるい」

ずるいも何もない。
俺だけのことならまだしもジョーに関わることだから、
易々と、カミングアウトなんてできない。

「‥こういうのは相手の気持ちもあるから」
「あ、そうだよね」
「‥どうして俺のことそんなに知りたいわけ?」

訊ねると井出は笑った。
「時々ね、康太とウッチの話題になるの。
 始めはちょっと近づけなくて話すこともなくて、
 ウッチもみんなを避けていたよね。
 連絡網事件後、表情が解けてきて最近は喋るでしょ。
 それが嬉しいねっていう話をね」

マキだけじゃなくて、井出も荒本も、
そんなことを思っていたらしい。
気にかけてくれたのが嬉しくて照れていると、
風音さっさとお風呂入りなさい、という声が耳に入った。
どうやら井出の母親みたいだ。

「残念。タイムリミットみたい」
 ごめんね、ウッチのことムリに聞こうとして」
「‥あのさ、相手に聞いてみるから待っててくれない?」
「え?」
「‥相手に聞いて話していいって言えば話すから」

フェアじゃない気がしてしまった。
たぶんジョーなら、いいよって言いそうな気がするし、
井出は、言いふらすタイプじゃないのを知ってる。

「いいの?」
「‥うん。俺もこれから風呂に入ってくる。
 1時間後にまた電話するから」
「ありがとう。じゃあ待ってるね」

一旦、通話が終了。
誰かとこんなに電話したのは初めてだった。
ふうっと肺に溜めていた息を吐く。

俺はリビングにいるジョーのところへ行って、
事情を話して了解を得た。
女子なら井出のみだ、という念を押されて俺は頷いた。

それから、ジョーと共に風呂へ入った。
少し唇を重ねて、少し肌に触れて、
ここではとりあえず、そこまでで強制終了させておく。
これからまた井出に電話しないといけないのに、
あれやこれを始めるわけにはいかない。

タオルを肩にかけて、コーラを手に部屋に戻ってから、
1時間後きっかりに電話をかけた。
「‥あの、相手に聞いたら井出に言っていいって」

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