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  [ 青い空を見上げて3rd 11 ]
2011-04-11(Mon) 05:55:55
笹崎侑津弥


少しだけ休んでから、約束の場所に出向く。
時間ちょうどに到着すると、そこには青柳さんがいた。
前に会った時と変わってない。
「‥こんばんは」
「こんばんは。久し振り。いきなり呼び出してごめんね」
「‥いえ、大丈夫です」
「それじゃあ、もつ鍋でも食べに行こう。
 もつって好きかな?それとも嫌いかな?」

あれば食べるけどなくても困らないし、
好きでも嫌いでも、どっちでもない。
そのまま伝えると笑われてしまった。

「あはは、スウ君正直だね。
 これから行く店のもつ鍋を食べたら、
 きっと好きになると思うよ」
と言って歩いた、青柳さん。
引き離されないように後を着いていく。

着いた先は、俺に縁のなさそうな鍋の店だった。
ワンフロア全てが店になっていて、中央には庭園がある。
店員さんみんなが着物で、いかにも高級そうだ。

「青柳様、いらっしゃいませ。
 いつもありがとうございます」
受付にいる女性が、慣れたように話しかけてきた。
青柳さんはきっと常連なんだろう。
フォトグラファーって儲かるのかなと考えたりする。

「あら、伊吹さんじゃなくて新人さんですか?」
「新人になるかどうかは彼次第ですよ。
 こちらで食事でもしながら口説こうかなと」
「そうですか。それではご案内致します」

和服をなびかせた店員が、前を歩く。
青柳さんと歩いている途中、
隣の襖からいきなり人が出てきて、どんっと軽く当たった。

「す‥すみません」
「‥あ、いえ、こっちこそ」

夏休みあとの登校といい、
今といいなぜかよく人がぶつかってくる。
赤石さんほどの衝撃ではないし平気だったけど。

「どうしましたか、舞斗君?」
ぶつかってきた人の後から姿を見せてきたのは、
すごく背の高い男の人だった。

あまりの高さに思わずびっくりした。
たぶん、バスケとかバレーボールとかをやっていて、
どっちかの選手だったんだろう。
そうに違いないと確信するほど大きかった。

「満さん、俺からこの人にぶつかって‥」
「そうですか。君、怪我とかは平気ですか?」
「‥はい、してません」
「君に連れがぶつかってしまい申し訳ありません」
「‥いいです、もう大丈夫です」

頭を下げてから青柳さんの傍に駆けていった。
俺だって気をつけようと思えば気をつけられたのに、
あんなに謝られたらかえって悪い。
それにしても仲がいいんだなと羨ましくなり、
ちょっとジョーを思い出してしまった。

「スウ君、大丈夫?」
「‥あれくらい何ともないです」
「そう。それじゃあ行こうか」
俺達は案内された個室で食事をした。

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