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  [ 青い空を見上げて3rd 13 ]
2011-04-14(Thu) 05:50:48
阿久津城


9時頃、ウツミが帰ってきた。
たらふく食べてきましたって顔をしながら。
「おかえり」
「‥ただいま。話があるんだけど今いいかな?」

まさか別れ話されるとか。
なんて、ありえない心配をしながら、
ソファに座るとウツミも座ると、
モデルのバイトに誘われたことを告げられた。

確かに、雑誌のウツミの表情やアングル、
それから構造なんかも抜群だった。
こうして前にいるウツミと違って、まるで別人だった。
それはたぶん青柳四葉のセンスなんだろう。
プラス、ウツミにそういう才能があるのかもしれない。

「‥試しにやってみようかと思うんだけど、どうかな」
いつものように無表情に近い表情なんだけど、
ウツミがわくわくしてるのを、こっちは見逃さなかった。

もちろん賛成したい。

だけど、何かがどこかに突っかかっている。

きっとこれは、ウツミの独占欲だろう。
俺のそんな欲のために、
ウツミの持つ可能性を潰したくない。

「いいじゃん、やってみろよ」
「‥ありがとう、ジョー」
「どうして礼なんか言うんだって」

俺が笑うとウツミも目を綻ばせた。
「‥どうしてか判らないけど言いたかった」

ウツミはたまに眩しいほど笑うようになった。
こういう表情こそが本来のウツミだろう。

「そっか。それで撮影はいつだ?」
「‥今度の日曜。スタジオ持ってるからそこで撮るって」

ウツミは、スタジオのある駅を教えてくれた。
家からはそんなに遠くないし、
聞いてきたってことはウツミもかなりやる気っぽい。

「そうなんだ。ウツミ楽しみだな」
えへへ、とウツミは笑った。
その唇にキスをすると赤くなった。

「ウツミ風呂入ろう?」
「‥ん」

風呂入って部屋行って、することは1つだけ。
それを察したのか、ウツミは恥ずかしそうに頷いた。

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