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  [ 青い空を見上げて3rd 38(R18) ]
2011-06-04(Sat) 05:15:31
阿久津城

夜遅くにやっぱり電話がきた。
明るい声は、言うまでもなく父さんだった。
「やあ、スウ君元気かい。なんてね」
電話を耳に当てながら冷静に俺は答えた。
「悪いけどウツミじゃなくて俺」
「なんだ、つまんないなあ」

つまんない、とはどういうことだ。
血縁はなくても親子なんだし、
もうちょっと言い方ってもんがあるだろに。

「で、何の用?」
「そっちはかなり大変じゃないかい、城」
ウツミがマスコミに注目されていることについて、
父さんはそう言ったのだろう。
なるほど、それなりに心配しているらしい。

「まあね。でもしょうがない。
 ウツミがやりたくてやったことだから」
そう言うと、隣に座るウツミがマンガから目を上げ、
にこりと俺に笑いかけた。
俺も笑いかけて頬に唇をくっつける。

「へえ、そうなのか」
父さんは嬉しそうな声だった。
ウツミが自ら動いたことに胸が踊ったんだろう。

「ところで2人共元気かい?」
「元気。なんとかやれてる。今ウツミに代わるから」

父さんからと伝えて、ウツミに電話を手渡した。
「‥はい、もしもし。はい、はい、あはは。
 ありがとうございます。いや、それは大丈夫です。
 ジョーにはいつも助けてもらってます」
読んでいたマンガをテーブルに置くと、
ソファで体育座りをし、ウツミは楽しそうに喋った。

やあ笹崎君元気かい。
はい。
モデルのバイト始めたんだって。
はい。
アリゾナで雑誌見せてもらったよ、いいショットだね。
あはは。ありがとうございます。

ってな会話だろう、どうせ。
会話を勝手に想像し、なぜか腹が立ってきて、
俺はウツミのシャツを捲った。
冷静に父さんへ相槌を打ちつつ、ウツミはびっくりする。

俺はそれでも止めず、ぺろりと脇に舌を這わせた。
ウツミが手で俺を押し退けてくる。
でも、頑として舐めるのを止めはしない。

脇から胸へと、つつっと舌を滑らせる。
すっかり硬くなった胸を、口に含んで軽く転がす、
ウツミは体を震わせながら背を反らした。

次第にウツミの相槌が、ちょっと弱々しくなった。
姿勢もさっきまで体育座りだったのに、
今ではソファにぐったりと凭れているだけになっている。
抵抗していたパワーも力尽きたのか、
されるがままで俺のことを見ているだけだった。

「‥え?はい‥なんか乾燥してて‥」
ちょっと声が掠れてるね、大丈夫かい、
とでも父さんに言われたのか。
それらしいことを答えてやりすごしている。

ウツミは俺を睨んでいた。
でも、潤んでいる目でこっちを見られて、
もっとしてほしいのかな、と都合よく解釈した。
やめてほしいなら保留にして抵抗でもすればいいんだ。
そうしないで、俺にされるがままのウツミが悪い。

俺は調子に乗り、ウツミのジーンズのファスナーを、
ゆっくり広げていった。

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