BLUE BIND
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 青い空を見上げて3rd 45 ]
2011-06-21(Tue) 21:00:47
笹崎侑津弥
「あれ、スウ君?」
「こんなところで何してんだよ、スウ」
四葉さんと桂馬さんが、
いつものように気さくに話しかけてくれた。
頭を冷やすために家を出てきました、
と言えたら楽だろう。
でも、そんなことを言ったら困らせるだけだし、
あんまり詮索されるのは自分がイヤだ。
困らせない、探られない、
言い逃れできることを頭で考えていると、
伊吹さんがいきなり起立した。
いきなりのことにびっくりして、ぎょっとする。
「あ、そうだった。スウとごはん行くんだった」
小学生の学芸会より、棒読みな口調。
一瞬、言われたことが判らなかった。
そんな約束なんて、しているはずがない。
相手はスーパーモデルの伊吹さんだ。
誘われたとしても断っている。
だけど、きっと伊吹さんなりに、
困っていた俺のことを助けてくれたに違いない。
そう思うと、じわりと心が温かくなった。
すると、桂馬さんがあれって表情になった。
「何言ってんだよ伊吹。
お前は、これから俺達とごはんに‥」
「スウびしょ濡れじゃんかよ。
何だって?雨だって?なら晴れるまで飲むか」
途中で桂馬さんの言葉を遮断し、
伊吹さんは勝手に、話をどんどんと進める。
それから、俺の脇にするりと腕を入れ、
ぐいっと立ち上がらせた。
「そうだったな。約束してたの今日だったな。
俺どうして忘れてたんだろう。
最近こういう物忘れするんだよな」
わざとらしく呟き伊吹さんは階段を降りていく。
引き摺られながら振り返って、
後ろの四葉さんと桂馬さんの表情を見ると、
桂馬さんは、ぽかんと口を開けていた。
四葉さんは、いってらっしゃいと言わんばかりに、
手を振りながらにこりと俺に笑いかける。
ぺこりと頭を下げようとして、
踊り場でターンして姿が見えなくなった。
途端、伊吹さんが無言になる。
雨がほとんど止みかけている中、
引っ張られるように俺は歩かされていた。
俺の目線の先は、伊吹さんの背中。
これと同じシーンどこかで見たことある。
学校にきた両親に、俺がブチ切れて。
ジョーと帰ったシーンに似ているような気がした。
伊吹さんの背中が、ジョーの背中とダブる。
ジョーは今頃何してるだろう。
俺のことを探しているのか。
それとも、帰ってくるのを待ってるのか。
ジョーのことを考えて泣きそうになった。
泣くくらいなら帰ればいいのに、
どういう顔で帰ればいいか俺は考えつかなくて、
涙をぐっと堪える。
しばらくして、大通りで伊吹さんが挙手する。
すると、音もなくタクシーが止まった。
すぐそこに待機していたような絶妙なタイミングだった。
「俺の家に行く。いいな?」
その問いに頷くと、伊吹さんと一緒に、
タクシーに乗り込んだ。
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