BLUE BIND
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 青い空を見上げて3rd 56 ]
2011-07-12(Tue) 10:00:14
笹崎侑津弥
タイミングのいい電話にびっくりした。
怒られるかと思ったけど、ジョーは心配していた。
それにもまた、びっくりした。
喋っていたら伊吹さんに携帯を奪われてしまった。
なせか、ジョーとの関係がばれていた。
これにもびっくりしていると、ジョーと話を進められて、
明日早朝、ジョーがここにくることになってしまった。
びっくりしてばかりで、胸がばくばくと跳ねている。
俺はちょっとパニックに陥っていた。
もう、何がなにやらどうなってるんだか判らない。
目が回りそうで頭を抱えていると、
伊吹さんから畳まれた携帯をぽいと渡された。
「撮影だとあんなに普通なのに動揺しまくりだな。
いいじゃん別に男と付き合ってたってさ」
今のところ俺とジョーのことを知ってるのは、
マキと三波さんと井出だけだ。
3人は知っていても態度に変わりはない。
それに、知られた時、少なくとも傍にいなかった。
だから、傍にいてばれるのはすごく恥ずかしい。
俺はアイスが溶けるほど、
体を熱くしながらカップを握り締めていた。
「そんなの誰にも言わないって。
それにほら、俺自身バイだから理解あるしさ」
「‥バイ?」
「男も女も、どっちでもいけるってこと」
なるほど、伊吹さんはそういう性癖なのか。
言われれば判るような気もする。
しかも、それをさらっと言うのが何かむかつく。
手の力を抜き、溶けかけているアイスを食べた。
ぬるくなってきたけど残すわけにはいかない。
カップを口につけて斜めにし、アイスを一気飲みした。
「ジョーが迎えにくるのはいいとして親は?
スウのこと心配してんだろ?」
「‥心配するような両親じゃないです」
空になったアイスのカップをビニールに入れながら、
これまでのいきさつを、洗いざらい話した。
ジョーとのことよりも知られてまずいことはない。
伊吹さんは、聞き終えてから眉を顰めた。
「そうか。色んな親がいるな。
どんな親でもいるだけマシだと思ってたけど、
それは間違いかも」
「‥伊吹さんの両親は、どんな感じですか?」
そう訊ねると、伊吹さんが寂しそうな笑顔になった。
「さあな。死んでるから生きてたらどんな感じだろうな」
伊吹さんの発言に、慌てて謝った。
「‥すみません」
「いいのいいの。もう10年前だし」
気にするなと言いたげに笑いながら、
空っぽになった缶をビニールに入れている。
そして、伊吹さんはタバコを一服吸うと、
新しいビールのプルタブを開けながら、
生い立ちをゆっくりと俺に話してくれた。
10年前、家族4人でのドライブの最中、
トラックが正面衝突してきた。
原因はトラックの運転手の、居眠り運転。
そのせいで、両親と弟は死亡、
伊吹さんだけが一命をとりとめた。
退院した伊吹さんは、母方の祖母の養子、
という形として育てられた。
絶望感に見舞われながらも祖母の協力もあって、
それらを乗り越えて強く生きてきた。
そんな時だった。
友達と買い物中、モデルのスカウトされたのは。
地元のスーパーのチラシが初仕事だった。
オーディションに合格して読者モデルになってから、
ぐんぐんと人気が上昇していった。
人気絶頂期、新人フォトグラファーの四葉さんから、
伊吹さんへモデルの依頼がきたという。
それが四葉さんと仕事をする、きっかけだった。
その後おばあさんが亡くなった。
伊吹さんの祖母というだけで、
マスコミやファンがお葬式にやってきたという。
四葉さんは伊吹さんを、それらから守ってくれた。
それから、伊吹さんと四葉さんは、
タッグを組むことが多くなった。
「それにしても、スウって弟みたいだな」
「‥弟にキスする兄なんていません」
言ってからクレウスとミレトスが浮かんだ。
いや、でもあの2人は特殊だろう。
「スウが知らないだけでいるに決まってんじゃん。
モデル仲間にもそういうの結構いるぜ」
「‥そうですか」
「でも、うん、弟がまだ生きてたら、
きっとスウみたいな感じなんだろうな」
伊吹さんは過去を懐かしむように呟いてから、
俺ににこりと笑いかけた。
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