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  [ 青い空を見上げて3rd 60 ]
2011-07-19(Tue) 06:35:53
阿久津城


家に着くとウツミはベッドに倒れ込んだ。
「‥あんまり寝てないから寝かせて」
「ああ、おやすみ」
額にキスをするとウツミはすぐに眠ってしまった。
昨夜の出来事は、ウツミから聞いていた。
伊吹さんとキスして号泣して、
それから互いの色んな話をしたという。
ほとんどが、伊吹さんのビール理論だったらしいが、
楽しかったとウツミは言っていた。

それでも、熟睡できたのは2時間らしい。
他人の家ということもあり睡眠も浅かったみたいで、
ウツミにしては珍しくクマができていた。
家に着いてベッドに倒れ込むはずだ。

俺は寝ているウツミを家に残し、外へ出た。
向かった先は、とあるグッズショップ。
雑貨やパーティグッズなどが販売されている。

そこで何点かグッズを購入して、
プレゼントするためのラッピングをしてもらった。
白い袋に、ブルーのリボンをかけてもらう。

帰り道にスーパーで買い物をしていった。
かごに食べ物を入れながら、
スタイリストになると言ったことについて考える。

もちろん後悔なんてない。
プライベートでも仕事でもウツミと一緒にいられる。
それだけのための、唯一の選択だ。

だけど、ウツミはどう思っただろう。

びっくりしつつ、実はイヤだと思ってるとか。

俺もすんなりとそれを決めたわけじゃない。
きっかけは、伊吹さんの台詞だった。
対談の撮影で、ウツミの前髪にピンをしたら伊吹さんが、
俺にもやってと言ってきた。

伊吹さんの一言で、認められたような気がした。
だから、スタイリストの道も視野に入れることができた。

それにしたって、すっげバカだよな。
たったそれだけで将来の職業を決定しちまったもんな。
こんなにバカだったっけ。
バカなんじゃなくて、ウツミに惚れすぎて、
バカになっちまったんだな、きっと。

ウツミが呆れるくらいウツミに惚れている。
結婚もできない、子供もできない、障害だってある。
それでも、ウツミと離れることを考えられない。

俺がこんなにウツミを好きでも、
ウツミはいつか心変わりするかもしれない。

そうなったとしても。

バカのまま良きパートナーとして傍にいよう。

それでいいんだ、とにやりとし、
俺はスーパーのレジにかごを乗せた。

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そろそろエロが恋しくなりました私が。

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