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  [ 青い空を見上げて3rd 69(完) ]
2011-08-08(Mon) 19:15:23
阿久津城


目を覚ましてたらウツミは隣に寝ていた。
しばらくはこうして、
ウツミが隣にいることをいちいち確かめそうだ。
と、頭を掻こうとして手が重かった。
よく見ると、さっき使っていた青いリボンで、
ウツミの指と俺の指が結ばれていた。

一瞬、何でこうなったのか判らなかった。
しばらくして、ウツミの仕業なのだと判明し、
俺はにやりと笑った。
ウツミにもお茶目な部分があるんだな。

嬉しさのあまりウツミに唇をくっつける。
「好きだよ」

ぼそりと呟くように。

けれども、はっきり聞こえるように。

ウツミの耳で囁いた。
でも、気持ちよさそうな寝息はそのままだ。
悔しい俺は、ウツミの薬指にキスをする。

「愛してる」
誓いの言葉を呟くと、
頬を赤らめたウツミがゆっくりと目を開けた。
ウツミはどうやら狸寝入りしていたらしい。

「‥俺も」
恥ずかしそうに言うウツミの額にキスをした。

「ウツミ、このまま学校休もうか」
「‥休んで何する?」
「どっかで式しようぜ」
「‥バカ。まだ俺達未成年だよ」
「だったら成人したら式上げていいんだな?」
「‥それまでに別れてなければ」
「うっわ!ひでえ!今ここでそれを言うか!」
「‥だって先のことなんて判らないし」
「俺のこと愛してんだろ?」
「‥とりあえず今のところは」

目の冷たいウツミを抱き締める。
ふうっと溜め息が聞こえた。

「‥ジョー学校行こう」
「やだ」
「‥だって学園祭の準備もあるし」
「だってウツミは学園祭のアレがイヤなんだろ」
「‥イヤだけど学校行かないと」

俺は首を振り、ウツミの言うことを断った。
すると、ウツミは疲れたような息をついてから、
ぎゅっと俺を抱き締めてきた。

「‥ジョー、ずっと愛してる」

耳元での一言に、俺の手が緩む。
その隙にウツミはベッドから起きて、
カーテンを明けてから笑った。

その背後には、もちろん青い空が広がっていた。

前話へ

青い空を見上げて3rd、これにておしまいとなります。
ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。

今回のテーマはジョーとウツミの将来でした。
2人がどう考えて、どう生きていくのかを決めるのか。
このお話でしっくりいったと思っております。

あと、青い空3rdにて絶対入れたかったシーン。
第1位、2人が青いリボンで結ばれるシーンでした。
実はこれはブログのネーミングに由来しています。
ジョーとウツミでこのシーンを書きたかったので、
自分としてはとても満足です♪

次回の物語は、青い空3rdの番外編になります。
本編に残してきてしまった伏線を集めていきますので、
彼等のお話にもう少しだけお付き合い下さいm(_ _)m


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COMMENT

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b y | 2011.08.08(19:43) | | [EDIT] |
  +
コメント下さったK様

こんにちは!コメントありがとうございます!
青い空3rdを完結までお付き合い頂き本当に感謝です。
ぐだぐだとした長いお話となりましたが、
無事に完結して私自身ほっとしております(笑)

真っ直ぐすぎて擦れ違う‥よくありますよね。
「こうするのが相手にとっての最善」と思い、
アドバイスしても、相手は違った方法を考えている、
みたいなことはリアルでもよくあります。
今回の物語では「将来」「進路」がテーマだったので、
真っ直ぐで擦れ違い、でも元の鞘に納まる、
そんな2人を書けたかなと思っています(*´ー`)

伊吹+ジョーとウツミのキスや、
K様がコメントで書かれていた伊吹の台詞、
それ以外にもK様が気に入って下さったシーン全て、
絶対に書きたいと思っていた場面なので、
好きだと言って下さって嬉しかったです!
この2人は、きっとずっと一緒にいることでしょう。
ジョーとウツミが80歳になって老人ホームに入居、
そんな話すら今の私になら書けそうな気がします(笑)
が、その前に式を上げるシーンでも書こうかどうしようか‥
実はちょっとマジメに考えていたりします(=^_^=)

こちらこそ最後までお読み頂きありがとうございました。
番外編も、少しですがエロが入っておりますので(笑)
楽しみにして頂けると嬉しいです♪
b y 水色 | 2011.08.09(08:45) | URL | [EDIT] |

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