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  [ 僕達の学園祭 2 ]
2011-08-14(Sun) 04:45:29
阿久津城


「きゃあああ!」
行列をなしている女子が、一斉に高らかな悲鳴を上げた。
「ねえ!スウだよ!マジで本物本物だよ!」
「キーパーの仁志君格好いいよね!」
「あれって体育祭でこけた阿久津君?」

悲鳴の中からも言葉が聞こえる。
最後のだけバカにしている台詞ではあったけど、
受けはまずまず良いようだ。
こういう格好だといつもより2割増しになるのか、
クラスの男子もそれなりに注目されている。

まあ、考えてみれば確かに、
ウツミがいつもより、きらきら輝いて見えるな。
だから、井出にエプロンを装着してもらいながら、
ずっとウツミを見ていたわけだけど。

と、ふと、黒板のポスターに注目した。
「サイン、写真撮影、お断り」

なるほど、俺達への配慮か。
いや、むしろモデルで一躍有名となってしまった、
ウツミへの配慮かもしれない。
どっちにしろ、アイドルじゃないんだから、
写真なんて撮影されても困惑するな。

ギャルソン喫茶といっても、
俺達はジュースだのケーキだのを給仕するだけで、
それらの用意はキッチンの女子がやっている。
クラスの女子なんかもウツミやマキに注目し、
一緒にあとで写真撮ろうよ、なんて声が耳に届いた。

「お待たせしました」
言いながら俺がケーキを置くと、
テーブルの女子の目元がハートになる。

喜ばれるのは悪くないけど嬉しくもない。
それはやっぱり、ウツミのことが好きだからだろう。

ウツミといえば、相変わらずの無表情で、
ケーキやジュースを零さないように運んでいる。
不器用っぽいところが女子にたまんないらしく、
ひそひそ喋りながらも騒いでいた。

途中、赤石さんと一葉さんもきた。
席に座ってウツミと俺を見るなり、ぷっと吹き出した。

「いいじゃない。2人共すごく似合ってる」
「メイドも似合うんじゃないか笹崎?」
「ウツミはそれ裏で女子に言われてましたよ」
「‥ジョー、そういうの言わなくていいっ」

ウツミが赤くなって睨んできた。
そんな表情に女子がまた、小さく悲鳴を上げる。

という感じで滞りなく、午前がようやく終了した。

うちのクラスは午前午後で完全交代制となっている。
俺達はやっと午後のやつらと交代になり、
ようやく給仕から解放された。
ただし、ギャルソンの格好はこのままだという。

「そうすれば宣伝になるでしょ?」
と微笑んでいた井出。
策士の一言に、誰もそれには逆えなかった。

というわけで、このまま各クラスを巡ることになった。

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気持ちよく寝てたのに子供に顔面を足蹴にされて
仕方なく起きてブログを更新する私。
つーか、うちの小僧かなり寝相悪いです。
時計の針の如く布団の上で360度回転してます。
回転してもいいから顔面への攻撃は勘弁してくれえええ。


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